肥満外科手術後の雇用と仕事の生産性:短期的改善と長期的な課題
概要
肥満外科手術は、肥満患者の雇用および仕事の生産性を短期的には改善するものの、雇用率は約5年後にベースラインレベルに戻る「逆U字型」の軌跡をたどることが示されました。
研究方法
本研究は、2024年4月までに3つの生物医学データベースと2つの経済データベースを対象とした系統的レビューです。肥満(BMI ≥ 30)の成人患者が受けたあらゆる肥満外科手術後の雇用状況と生産性を評価しました。
主な評価項目は以下の通りです。
雇用状況
復職/失業
障害年金
生産性尺度(欠勤/病欠、プレゼンティズム、労働時間)
主要な発見
42件の研究(患者数159,678人)が分析に含まれ、そのうち38件が術前後の結果を報告し、13件が手術群と非手術群の比較を行っていました。
雇用率は手術後1年で54.4%から66.4%に上昇し、4年目まで安定していましたが、5年目には減少しました。失業率も同様の逆U字型トレンドを示し、当初は減少しましたが5年目にはベースラインレベルに戻りました。
手術後、欠勤/病欠は減少し(10件中5件で改善)、労働能力は向上し(4件中4件で改善)、労働時間は増加しました(5件中4件で増加)。
手術群と非手術群を比較した研究では、雇用と復職において短期的な利益が見られましたが、長期的なメリットは一貫していませんでした。
- 職業的成果改善の障壁としては、不十分な体重減少、女性であること、高齢、術前の併存疾患、低い生活の質(QOL)、限られた職務経験などが挙げられました。
今後の展望と限界
本研究は、手術後の職業的利益を維持・増幅するための長期的な戦略と、リスクのある集団に対する的を絞った介入の必要性を強調しています。
研究の限界として、アウトカム、手術手技、設定における実質的な異質性、多くの研究が小規模で追跡期間が限定的であったこと、欠勤理由の分類が曖昧であったことなどが挙げられます。
