救急外来における精神科外来薬の早期再開と滞在期間への影響
TOPLINE: 全体的な関連性とサブグループでの関連性
慢性精神科薬を服用中の患者が救急外来(ED)を受診した場合、外来薬を24時間以内に再開しても、コホート全体のED滞在期間とは関連が認められませんでした。 しかし、薬を再開した患者の中では、早期の再開がED滞在期間の短縮と関連する可能性が示唆されました。
METHODOLOGY: 研究デザインと対象
研究デザイン: 2022年から2024年にかけて実施された、後ろ向き多施設コホート研究。
対象: 16歳以上でED滞在時間が24時間を超え、精神科診断があり、外来精神科薬を服用していた患者250名。
群分け:
外来精神科薬を24時間以内に再開した群 (n = 96)
24時間以降に再開または全く再開しなかった群 (n = 154)
評価項目:
主要評価項目: ED滞在期間。
副次評価項目: シッター時間、拘束時間、精神科薬投与回数、退院時転帰。
追加解析: 外来薬を再開した患者に限定した事後サブグループ解析を実施。
TAKEAWAY: 主要な研究結果
全体での比較: 早期再開群と遅延/非再開群の間で、平均ED滞在期間に有意差は認められませんでした。副次評価項目についても同様でした。
サブグループ解析: 薬を再開した患者に限定すると、24時間以内に再開した患者は、24時間以降に再開した患者よりも平均ED滞在期間が有意に短い結果となりました(47.7時間 vs 65.7時間; P = .0004)。
早期再開との関連因子: 服用中の薬剤数が多いほど、24時間以内の早期再開と有意に関連していました(オッズ比 1.3; P = .007)。
IN PRACTICE: 臨床への示唆
16歳以上の精神科救急患者において、外来薬の早期再開はED滞在期間の延長、シッター利用、拘束利用の増加とは関連しませんでした。しかし、外来薬を再開した患者においては、早期再開がED滞在期間の短縮と相関することが示されました。
LIMITATIONS: 研究の限界
本研究の限界として、後ろ向き研究であること、サンプルサイズが小さいこと、精神科救急の重症度を定量化する広く受け入れられたスケールがないことによるバイアス、ベースライン特性の有意差、非自発的拘束状態の患者を含むことによるシッター利用への影響などが挙げられます。
SOURCE & DISCLOSURES
本研究はMorgan Hayslip, PharmDらが主導し、2025年11月6日にThe American Journal of Emergency Medicine誌にオンライン掲載されました。資金提供はなく、著者らは利益相反がないことを報告しています。
元記事:Early Psychiatric Med Resumption Not Tied to Longer ED Stay