Eli LillyとNVIDIA、AI創薬向けスーパーコンピューターで提携
Eli Lillyは、テクノロジー大手NVIDIAと提携し、医薬品業界の創薬を支援する最も強力なAI搭載スーパーコンピューターを構築する計画を発表しました。このスーパーコンピューターは「AIファクトリー」を稼働させ、データ取得からトレーニング、微調整、大量推論まで、AIライフサイクル全体を管理し、これまで不可能とされた規模でのAIベースの研究を可能にします。
AI創薬の可能性と業界の動向
AIによる創薬は、大規模なデータセットの処理能力、パターン発見、予測生成能力により、リード候補選択期間の短縮、コスト削減、成功率向上に貢献すると期待されています。Novo NordiskやRoche/Genentechといった他社もNVIDIAと協力し、アルゴリズムを訓練して新分子を設計・テストするスーパーコンピューターベースの「lab-in-a-loop」システムを開発しています。また、新興企業Lila Sciencesは、AI搭載ラボプラットフォームの開発に向けて3億5000万ドルの資金を調達しました。
Lillyのビジョンと影響
Lillyの最高情報・デジタル責任者であるDiogo Rau氏は、このスーパーコンピューターが新薬の発見、開発、供給能力に劇的な影響を与えると述べ、同社の「数十年分のデータ」が強力な資産となると強調しました。Lillyは創薬だけでなく、「デジタルツイン」や自動化システムによる生産効率向上、製造ダウンタイム削減、個別化医療を支援する新たなバイオマーカーの発見にもスーパーコンピューターの活用を想定しています。
持続可能性とAIの提供
AIインフラのエネルギー消費に関する懸念に対し、Lillyは2030年の持続可能性目標(カーボンニュートラル、再生可能電力100%使用、既存の冷却水インフラ活用)に沿ってスーパーコンピューターを構築すると表明しています。Lillyの最高AI責任者であるThomas Fuchs氏は、AIを「科学的協力者」として捉え、ワークフローにインテリジェンスを組み込むことで、学習・適応・改善する企業への変革を目指すとしています。
このスーパーコンピューターで生成されるAI創薬モデルは、約10億ドルを投じて開発された機械学習プラットフォーム「Lilly TuneLab」を通じて、トレーニングデータの提供を条件にバイオテクノロジー企業に無料で提供される予定です。
元記事:Lilly partners NVIDIA to build 'most powerful' supercomputer
