AIツール、大腸内視鏡検査前の腸管洗浄度評価を支援

AIモデルが結腸内視鏡検査前の腸管洗浄状態を正確に評価

結腸内視鏡検査における腸管洗浄は重要ですが、20〜25%のケースで準備が不十分と報告されており、患者への支援がスタッフのワークロードを増加させています。この課題に対し、研究者たちは便画像を用いて患者が結腸内視鏡検査の準備が整っているかを評価する人工知能(AI)ツール「AI-PREPOO」を開発し、その性能を検証しました。

研究方法

2022年から2023年にかけて日本で多施設共同観察研究が実施され、結腸内視鏡検査を予定している37名の患者(中央値57歳、女性45.9%)が参加しました。患者は2リットルのポリエチレングリコール溶液を摂取開始後、排便ごとにスマートフォンで便の写真を撮影し、安全なウェブサーバーにアップロードしました。画像は訓練セットとテストセットに分けられ、便が透明または薄黄色で水様性であり、固形物が含まれていない場合に「準備完了」と分類されました。結腸内視鏡検査の準備完了を分類するために、転移学習を用いた4種類の深層学習アーキテクチャに基づく画像認識モデルが開発されました。

主な結果

合計282枚の便画像が収集され、うち141枚が「準備完了」、141枚が「準備未完了」と分類されました。これらのうち、224枚の画像が訓練に(2240枚に拡張)、58枚がテストに使用されました。

開発されたAI-PREPOOの全4モデルは高い性能を示し、AUC(Area Under the Receiver Operating Characteristic Curve)は0.92から0.95の範囲でした。特に、MobileNetV3-Smallアーキテクチャに基づく「AI-PREPOO 1」モデルは、テストセットで最もバランスの取れた性能を発揮しました。

AUC: 0.95

Accuracy: 0.90

Sensitivity: 0.93

Specificity: 0.86

結腸内視鏡検査時、全患者のBoston Bowel Preparation Scaleスコアは6以上であり、「準備完了」と分類された画像が適切に準備された腸管に対応していることが確認されました。

実用化の可能性と限界

このモデルがモバイルアプリケーションとして実装されれば、患者は迅速かつ独立して腸管洗浄の十分性を評価できるようになります。これにより、看護師への依存が減少し、便画像を共有する際の患者の恥ずかしさが軽減されることが期待されます。また、看護師の不必要な問い合わせを最小限に抑え、不確実性による過剰または不十分な腸管洗浄を防ぐことで、看護師のワークロードも軽減される可能性があります。

しかし、本研究のデータセットは小規模であり、一般化可能性に限界があり、過学習のリスクも指摘されています。実環境では、便画像は照明、角度、焦点、ズーム、背景が多様であるため、より大規模で多様なデータセットが必要です。また、独立したまたは前向きコホートでの外部検証が不足しています。

元記事:AI Tool Helps Patients Assess Bowel Prep for Colonoscopy