ベーリンガーインゲルハイムの「Hernexeos」、HER2陽性NSCLC初回治療薬としてFDA承認
ベーリンガーインゲルハイムの肺がん治療薬Hernexeos(zongertinib)が、FDAの国家優先バウチャープログラム(CNPV)の下で、治療歴のないHER2陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)の初回治療薬として承認されました。これは、同プログラムによる承認製品としては2番目となります。
迅速な承認プロセス
承認は、申請からわずか6週間という異例の速さで決定されました。
通常10~12ヶ月かかる審査期間が、CNPVプログラムの目的である「1~2ヶ月以内」という目標を達成しました。
FDA長官は、この迅速な決定について「申請日から44日後に最終決定が下された」とコメントし、「画期的な治療法」を求めていると述べました。
国家優先バウチャープログラム(CNPV)の目的
必須医薬品の国内供給における不足を解消すること。
重要な新しい治療法を患者により迅速に提供すること。
最初の承認製品は、輸入依存度を減らすための抗生物質Augmentin XRの米国製バージョンでした。
Hernexeosの市場における位置づけと競合
Hernexeosは昨年夏、HER2変異進行NSCLCの既治療患者向けに、初の経口標的療法として加速承認を受けていました。
今回の初回治療薬としての承認により、ベーリンガーインゲルハイムは、競合であるバイエルのHyrnuo(sevabertinib)に対してリードを広げました。
バイエルのHyrnuoは2025年11月に二次治療薬として承認されていますが、初回治療薬としての申請はまだ行われていません。
初回治療薬承認の根拠:Beamion LUNG-1試験データ
Hernexeosの初回治療薬としての承認は、Beamion LUNG-1試験のデータに基づいています。
客観的奏効率(ORR): 76%(完全奏効11%を含む)
奏効期間中央値(DoR): 14.1ヶ月(患者の3分の2が6ヶ月以上奏効を維持)
無増悪生存期間(PFS): 12.4ヶ月
主任研究者であるジョン・ヘイマック氏は、この薬剤が「実証された有効性、管理可能な安全性プロファイル、1日1回の経口投与」により、この種の肺がんに対する「初の標的療法として新しい標準を確立する」と評価しています。
今後の展望とHER2変異NSCLCの特性
ベーリンガーインゲルハイムとバイエルは、それぞれBeamion LUNG 2およびSOHO-2という第3相試験を進行中で、HER2陽性NSCLCの初回治療を具体的に調べています。
HER2変異はNSCLC患者の2〜4%に見られ、予後不良や脳転移のリスクが高いことと関連しています。
HER2変異NSCLCの患者は、主に女性であり、若年で非喫煙者の傾向があります。
元記事:Boehringer gets FDA's second 'national priority' approval