ノバルティス、Tourmaline Bioを14億ドルで買収し心臓病パイプラインを強化
ノバルティスは、アテローム性動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)を対象とするフェーズ3準備完了の薬剤を持つTourmaline Bioを14億ドルで買収しました。この買収は、ノバルティスの心臓病パイプラインを強化するものです。
主要資産「pacibekitug」について
薬剤: pacibekitug(抗IL-6抗体)
目的: 慢性炎症性血管疾患とされるアテローム性動脈硬化における全身性炎症の抑制。
フェーズ2 TRANQUILITY試験結果:
高感度C反応性タンパク質(hs-CRP、炎症バイオマーカー)を85%以上減少させる効果を確認。
3ヶ月に一度の皮下投与で有効性を示しました。
有害事象および重篤な有害事象の発生率はプラセボと比較して同等でした。
競合との比較:
Novo NordiskのIL-6阻害剤ziltivekimab(フェーズ3試験中)が最も近い競合ですが、pacibekitugは3ヶ月に一度の投与に対し、ziltivekimabは毎月の投与が必要です。Tourmalineはpacibekitugが「クラス最高の可能性」を秘めていると主張しています。
ノバルティスのコメント: ノバルティスの最高医療責任者であるShreeram Aradhye氏は、「心血管リスク低減のための抗炎症療法が広く普及していない現状において、pacibekitugはIL-6を標的とする差別化された作用機序により、ASCVDにおける残存炎症リスクに対処する潜在的なブレークスルーとなる」と述べています。
ノバルティスの買収戦略と背景
ノバルティスはパイプライン構築のため、積極的な買収戦略を展開しています。
2024年の主な買収:
Regulus(腎臓病治療薬):最大17億ドル
Anthos(心房細動治療薬):31億ドル
過去の買収: Kate Therapeutics(11億ドル)、Mariana Oncology(約17.5億ドル)、MorphoSys(29億ドル)など。
CEOのコミットメント: Vas Narasimhan CEOは、50億ドル未満のボルトオン買収を継続する方針を示しています。
心血管領域への注力背景: ノバルティスは、昨年78億ドルの売上を記録した心不全治療薬Entresto(sacubitril/valsartan)がジェネリック競争に直面し始めたため、心血管カテゴリーへの投資を強化しています。
買収完了とTourmalineのコメント
完了予定: 2024年第4四半期。
Tourmalineの地位: ノバルティスの間接的な完全子会社として運営されます。
プレミアム: 本買収提案は、Tourmalineの直近の終値に対し59%のプレミアムを含んでいます。
- Tourmaline CEOのコメント: 共同創設者兼CEOのSandeep Kulkarni氏は、「Tourmalineの使命は、医療ニーズが満たされていない分野で新たな治療基準を確立することであり、今日の発表はその焦点へのコミットメントを強調し、株主に魅力的な価値を提供する」と述べています。