イーライリリー、AI駆動型創薬モデルをバイオテクノロジー企業に無償提供、トレーニングデータ提供と引き換えに

Eli Lillyは、約10億ドルを投じて開発したAI創薬モデルをバイオテック企業に無償提供する。これは、企業がモデルを洗練させるための「訓練データ」を提供するという条件付きである。

Lilly TuneLabの概要と価値

この新しいプラットフォーム「Lilly TuneLab」は、Lillyが長年の研究データで訓練した機械学習(ML)システムであり、「業界で最も価値のあるAIシステム訓練用データセットの一つ」とされている。

これは、Lillyが初期段階のバイオテックパートナー向けに提供する「Catalyze360」スイートの一部として、ラボ施設、科学的指導、R&Dソフトウェア、財政投資と共に提供される。

AIは、大規模データセットの処理、パターンの発見、予測生成能力により、創薬ターゲットの発見、新薬設計、既存治療法の再利用など、ライフサイエンス業界に変革をもたらしている。

提供の目的と背景

Lillyの最高科学責任者であるDaniel Skovronsky氏は、「Lillyは創薬のために数十年にわたり包括的なデータセットを構築してきた。その投資から得られた知見を共有し、バイオテクノロジー研究の潮流を押し上げる手助けをしたい」と述べた。

Lilly TuneLab」は「イコライザー(平等化装置)」として機能し、中小企業がLillyの科学者が日常的に使用するのと同等のAI機能にアクセスできるようにすることを目的としている。

これにより、新薬開発が加速され、患者に届けられることを期待している。

提携事例

既に複数の企業がLilly TuneLabとの提携を発表しており、サウスサンフランシスコの2つのバイオテック企業も含まれる。

Circle Pharmaは、難治性癌に対する新しいマクロサイクル治療薬の開発に利用する。

AI創薬を専門とするInsitroは、Lillyと協力して、小分子の主要な薬理学的特性を正確に予測できる高度なMLモデルの開発を進める。

InsitroのCEOであるDaphne Koller氏は、AIが創薬における課題に対処できるとしながらも、そのためには「堅牢で一貫性のあるデータ」が不可欠であると強調。Lillyのユニークなデータセットとの連携に期待を示し、より良い医薬品を迅速に患者に届ける利益を追求する意向を示した。

元記事:Lilly offers AI discovery models to biotech partners