若年性BRCA1/2遺伝子変異保持者の両側乳房切除術が20年間で大幅増加
概要
早期乳がんと診断されたBRCA1/2遺伝子病原性または病原性である可能性が高い変異を持つ若年女性において、両側乳房切除術の実施率が過去20年間で大幅に増加しました。2000年の8%から2020年には44.4%へと上昇しています。特に、診断前または診断時に遺伝子検査を受けた女性は、診断後に検査を受けた女性と比較して、両側乳房切除術を受ける可能性が有意に高いことが示されました。
方法論
この国際的な病院ベースの後ろ向きコホート研究は、5大陸109施設にわたり、2000年1月1日から2020年12月31日までに診断されたステージI〜IIIの浸潤性乳がんを持つ40歳以下のBRCA1/2遺伝子変異保持者4715人を対象に実施されました。
- 対象者: BRCA1/2変異保持者4715人(63.3%がBRCA1変異)。
- 遺伝子検査のタイミング: 49.4%が診断前または診断時に遺伝子検査を実施。
- 外科的治療の分類: 乳房温存手術(BCS)、片側乳房切除術、両側乳房切除術(治療的片側切除術+リスク低減対側乳房切除術)。
- データ収集: 2022年1月から2024年6月にかけて、医療記録から収集。
主要な結果
- 両側乳房切除術の増加: 全体では24.6%の変異保持者に両側乳房切除術が実施され、その割合は2000年の8.0%から2020年には44.4%へと増加しました(P <.001)。
- 乳房温存手術の減少: 同期間にBCSの実施率は55.7%から27.0%に減少しました。
- 遺伝子検査のタイミングの影響: 診断後に検査を受けたグループと比較して、診断前(調整オッズ比[AOR], 20.72)または診断時(AOR, 6.83)の遺伝子検査が両側乳房切除術の最も強い関連要因でした。
- 地域差: 診断前または診断後6ヶ月以内に遺伝子検査を受けた2327人の患者のうち、42.0%が両側乳房切除術を受けました。この割合はアジアおよびアフリカで最低(26.1%)、北米で最高(66.4%)でした(P <.001)。
- 乳房再建術の増加: 乳房切除術を受けた患者における乳房再建術の実施率は、2000年の53.8%から2020年には78.4%に増加しました(P <.001)。即時再建が主流となり、2000年の28.2%から2020年には65.8%に増加しました。
結論と今後の課題
本研究の結果は、地理的地域と遺伝子検査のタイミングが外科的治療の選択に最も強く関連していることを示唆しています。
ただし、本研究は後ろ向きデザインであり、外科的推奨や患者と医師間の意思決定に関する詳細な情報が不足しています。また、遺伝子サービスへのアクセス、保険適用、家族歴、家族計画の希望、QOLの懸念などは評価されておらず、診断後6ヶ月または12ヶ月以降に両側乳房切除術を受けた患者は含まれていないため、実際の実施率を過小評価している可能性があります。