大麻使用が口腔外科における麻酔薬要件に与える影響
米国で嗜好用大麻の合法化が進む中、静脈内全身麻酔下での口腔外科手術における大麻使用の影響が重要な臨床課題となっています。最近の研究により、大麻を定期的に使用する患者は、第三大臼歯抜歯時により高用量のプロポフォールを必要とすることが明らかになりました。この結果は、静脈内全身麻酔を計画する際に、詳細な物質使用歴の聴取が重要であることを示唆しています。
研究の概要と主要な発見
本研究では、シアトルのワシントン大学口腔顎顔面外科クリニックで静脈内全身麻酔下で第三大臼歯抜歯を受けた成人49名を対象に、大麻曝露と投与されたプロポフォールの総量との関連を調査しました。大麻曝露は使用頻度と期間に基づいて評価され、患者はリスクカテゴリに分類されました。
研究の結果、以下の点が判明しました。
- 2~3年以上、1日に複数回大麻を使用していた患者は、非使用者と比較して55%多くプロポフォールを必要としました。
- 用量要件は、大麻の使用頻度と期間によって異なりました。
- 2~3年以上、1日に複数回大麻を使用していた患者:262 mgのプロポフォール
- 頻度が低いが長期使用者:216 mg
- 頻度が低く短期使用者:169 mg
臨床的意義
これらの知見は、2~3年以上、1日に複数回大麻を使用している患者は、第三大臼歯抜歯時にプロポフォール総量の増加が必要となる高リスク群であることを示唆しています。歯科専門家は、術前評価において大麻の使用頻度と期間に関する具体的な質問を含めるべきです。高頻度かつ慢性的な使用者の場合、臨床医はより高用量のプロポフォールが必要となることを予測して麻酔計画を立てる必要があります。
大麻と口腔健康に関するその他の知見
過去の研究では、頻繁な大麻使用が虫歯の増加や重度の歯の喪失と関連していることが示されています。さらに、ある研究では、大麻使用障害が5年以内に口腔がんを発症するリスクを3倍以上高めることと関連していることが判明しています。Dental Tribune Internationalは、患者が大麻に酩酊した状態で来院すると、歯科治療が妨げられる可能性があるという複数の調査結果も以前に報告しています。
本研究は「Do cannabis users require more anesthesia during third molar removal under intravenous general anesthesia when compared to nonusers?」と題され、2026年5月号の『Journal of Oral and Maxillofacial Surgery』に掲載されました。
元記事:Regular cannabis users may require higher anaesthetic doses for oral surgery