イエメンにおける顎関節症(TMD)物理療法に関する歯科医の知識と実践状況調査
イエメンのサヌアで実施された調査により、紛争の影響を受ける医療現場における歯科医の顎関節症(TMD)物理療法に関する知識、信念、および実践にギャップがあることが明らかになりました。この研究は、専門教育と医療計画の優先順位を特定することを目的としています。
調査方法と主な発見
本横断研究では、大学、私立歯科医院、政府病院で働く426名の歯科専門家を対象に、TMD管理のためのエビデンスに基づいた物理療法の知識、治療効果に関する信念、臨床実践、およびTMDケアの障壁を評価しました。
知識と実践のギャップ:
ほとんどの回答者は顎運動と手動療法のエビデンスを認識していましたが、顎運動を「しばしば」または「常に」使用すると答えたのは半数未満、手動療法を定期的に使用すると答えたのは約3分の1に留まりました。
長期管理における温熱療法や超音波療法の限界、ドライニードルの潜在的役割に関する知識は弱く、約半数が適切に訓練された歯科医自身が特定の物理的介入を提供できることを認識していませんでした。
患者の自己管理:
ほとんどの回答者は患者の自己管理の重要性を認識していましたが、患者教育や自宅での自己管理指導を「しばしば」または「常に」使用すると答えたのは約半数でした。
患者の治療および自己管理計画への遵守を定期的に監視していると答えたのも、わずか半数強でした。
物理療法利用と研修の障壁
回答者の物理療法に対する好意的な態度と実際の使用頻度の間に乖離が見られ、知識不足以外の障壁が存在することが示唆されました。主な障壁として以下が挙げられました。
物理療法のリソースや機器へのアクセス制限
物理療法技術に関する正式な訓練の不足
患者のTMD管理に対する意識不足
臨床時間の制約
- 治療費
これらの障壁は、長期にわたる紛争によって医療サービスが深刻に混乱しているイエメンの状況において特に重要です。
提言と今後の展望
TMDコースやワークショップへの参加、およびTMD患者を多く治療する経験は、知識、好意的な態度、および物理療法の実践頻度と強く関連していました。研究者らは、地理的および治安上の制約を考慮し、オンライン学習と実践的なワークショップを組み合わせた研修の実施を提案しています。また、歯科医が顎運動指導や姿勢矯正といった簡単な物理的介入を専門範囲内で提供できるよう訓練することを推奨しています。
この研究「Physical modalities for temporomandibular disorders: A cross-sectional survey of knowledge, perceptions, and practice patterns among dental professionals in Sana’a, Yemen」は、2026年10月6日に「Clinical, Cosmetic and Investigational Dentistry」誌に掲載されました。