がん患者、禁煙で生存率が向上 – 研究結果

がん患者、禁煙で生存率が向上 – 研究結果

癌患者における禁煙の生存率改善効果:コホート研究の結果

研究の概要と背景

癌患者のコホート研究において、初診から6ヶ月以内に禁煙した患者は、喫煙を続けた患者と比較してほぼ2倍の生存率を示しました。診断時に喫煙している癌患者は約25%に上り、治療中も最大58%が喫煙を継続している現状があります。特に進行癌患者に対しては、禁煙の恩恵に関する誤解から、臨床医が禁煙支援を提供する傾向が低いとされています。

研究方法

この観察コホート研究は、2018年6月から12月にかけて外来腫瘍クリニックで評価された13,282人の癌患者を対象に実施されました。内訳は、タバコ関連の頭頸部、呼吸器、食道癌患者が2258人(うち肺癌1412人)、子宮頸部、膵臓、肝臓、胃、泌尿器癌患者が2806人、非タバコ関連固形腫瘍患者が6326人などでした。

研究では、6ヶ月間にわたる禁煙率が前向きに追跡され、外来受診ごとに腫瘍ケアチームによって喫煙状況が記録されました。初診時の喫煙状況と6ヶ月以内の禁煙が2年間の全生存期間に与える影響は、多変量Cox比例ハザードモデルとKaplan-Meier法を用いて評価されました。

患者集団は、非喫煙者が49.5%、元喫煙者が37.6%、現喫煙者が13.0%で構成され、ほとんどの患者が非タバコ関連悪性腫瘍および進行期(III/IV期)の疾患を抱えていました。

主な結果

禁煙継続患者の死亡リスク: 禁煙を続けた患者は、禁煙した患者と比較して、全死因死亡リスクが有意に高かった(調整ハザード比[aHR], 1.97; 95% CI, 1.53-2.55)。

喫煙状況別の死亡リスク:

初診時の現喫煙者は非喫煙者と比較して死亡リスクが増加(aHR, 1.35; 95% CI, 1.20-1.53)。

元喫煙者も死亡リスクの増加を示した(aHR, 1.13; 95% CI, 1.03-1.25)。

進行癌患者への影響: 進行期(IIIまたはIV期)癌患者において、喫煙継続は死亡リスクを2倍に増加させることと関連していた(aHR, 2.11; 95% CI, 1.60-2.79)。

2年生存確率: 2年時点での調整生存確率は、非喫煙者(81.4%)が最も高く、次いで元喫煙者(79.4%)、現喫煙者(76.4%)でした。

臨床的意義と提言

研究著者らは、「喫煙する全ての癌患者に対し、癌の種類や病期に関わらず禁煙支援を提供すべきであり、これは包括的な腫瘍ケアの不可欠な要素とみなされるべきである」と提言しています。

研究の限界

本研究にはいくつかの限界があります。タバコの使用は生化学的検査によって確認されておらず、喫煙状況の誤分類の可能性が指摘されています。また、追跡期間中に受診しなかった患者や、より遅い時期に禁煙した患者、追跡不能になった患者については、喫煙状況の変化が見逃された可能性があります。さらに、禁煙による生存利益は、測定されていない患者レベルの要因(他の健康的な生活習慣、治療遵守など)によって部分的に影響を受けている可能性も考えられます。

元記事:Cancer Patients Live Longer After Quitting Smoking in Study