米国における医師の臨床現場からの離職増加傾向(2013年〜2019年)
2013年から2019年にかけて、米国では臨床現場を離れる医師の割合が地域や専門分野を問わず増加し、特に女性医師と地方の医師で離職リスクが高いことが明らかになった。
調査方法
研究者らは、2013年から2019年の間にMedicareに年間50回以上の評価・管理サービスを請求した712,395人の米国医師(男性70.8%、都市部90.8%)のデータを分析した。主な専門分野は病院勤務医(28.2%)、プライマリケア(27.8%)、外科(16.5%)、産婦人科(4.0%)、精神科(3.7%)であった。主要評価項目は、3年以上臨床現場に再参入しない医師の離職期間と定義された。
主要な調査結果
- 離職率の推移: 2013年には医師の3.5%が臨床現場を離れたが、2019年にはその割合が4.9%に上昇した。この増加は、すべての専門分野、地域、および35歳以上の医師に見られた。
- 高リスク群:
- 性別: 女性医師は男性医師と比較して離職リスクが1.44倍高かった(調整ハザード比[aHR], 1.44; 95% CI, 1.43-1.46)。
- 地域: 地方で開業する医師は都市部で開業する医師よりも離職リスクが1.19倍高かった(aHR, 1.19; 95% CI, 1.17-1.21)。
- 専門分野: 精神科、プライマリケア、産婦人科の医師は離職リスクが高い傾向にあったが、医師および患者要因で調整後、病院勤務医が最も離職リスクが高かった。
- 患者層: 高齢患者やハイリスク患者、またはMedicareとMedicaidの両方の対象となる患者の割合が高い医師においても、離職リスクが著しく高かった。
意義
本研究の知見は、医師の労働力維持と患者の医療アクセス確保に向けた臨床運営および政策策定に貢献しうると研究著者らは述べている。
限界
本研究の結果は、Medicareを利用しない医師を代表しない可能性があり、医師の専門分野は最も多く請求した専門分野で分類されている。また、勤務時間の減少ではなく、臨床現場からの完全な離職を測定している点も限界として挙げられる。
元記事:Increase in Physicians Walking Away From Clinical Practice
