NHSにおけるコンサルタントの採用と定着が危機的状況に、新報告書が示唆

NHSにおけるコンサルタントの採用と定着が危機的状況に、新報告書が示唆

NHSにおけるコンサルタント医師の採用・維持が危機的状況に

英国国民保健サービス(NHS)において、コンサルタント医師の採用と維持が危機的な状況に陥っていることが新たな報告書で明らかになりました。全英でのコンサルタント空席率は8.2%に達し、全医師の平均空席率の約2倍となっています。一部のNHS組織では30%を超える空席率を報告しており、わずか2%のトラストしかコンサルタントが充足していると回答していません。

深刻な財政的・運用的影響

2024-2025年には、この人員不足によりNHSはロカム医師(非常勤医師)の費用として少なくとも6億7400万ポンドを費やしました。2022年から2025年の間にイングランドとウェールズで約33,000件のコンサルタント職が募集され、これは66以上の大規模病院を賄える数に相当します。空席の3分の1以上がグレーターロンドンと南東部に集中し、精神科(25%)、外科(11%)、小児科(7%)、放射線科(5%)の順で需要が高くなっています。

採用の困難さと患者ケアへの影響

採用担当者の29%がコンサルタントの採用には1年以上かかると回答しており、応募者の80%が不適格であると報告されています。英国医師会(BMA)は、「患者のニーズを満たす、あるいは適切な水準でサービスを運営するためのコンサルタントが単純に不足している」と指摘しています。コンサルタント不足はスタッフの士気を低下させ、患者ケアを損ない、待機リスト削減の取り組みを妨げており、採用担当者の17%は患者の安全に「非常に大きな」影響があると回答しています。

コンサルタントの現状と高齢化

王立内科医協会(RCP)の調査では、39%のコンサルタントが「常にまたはほとんどの時間」過剰な業務量を報告し、73%がローテーションの欠員が患者ケアに影響を与えていると感じています。

現職のコンサルタントは積極的に転職活動をしておらず(4%のみ)、35%が現在の場所への定着、24%が学齢期の子供を理由に異動をためらっています。一方で、転職を検討する医師の44%は業務負担への不満、33%は雇用主への不満を挙げており、24%が海外移住に関心を持っています。

コンサルタントの高齢化も深刻で、41%が退職間近であり、約半数が50歳以上です。このうち3分の1が早期退職を計画しており、早期退職は13年間で3倍以上に増加し、平均退職年齢は59歳に低下しています。

解決策の提案

報告書では、採用改善のために以下の対策を提案しています。

  • 魅力的な職務計画の提示
  • 目立つ求人広告の作成
  • 強力な雇用主としての評判の構築
  • 柔軟な働き方(育児支援、リモートワークなど)の提供(58%が柔軟な働き方で退職を延期すると回答)
  • 口コミの活用

しかし、長期的な回復には、より多くの自国出身のコンサルタントを育成するための専門研修の再構築と、研修におけるボトルネックの解消が不可欠であると結論付けられています。

元記事:Hospitals Struggle as Consultant Posts Remain Unfilled