敗血症患者における凝固障害補正は、処置の遅延と死亡リスクの上昇につながる可能性

敗血症性凝固障害患者における凝固能補正は死亡率を増加させ、ソースコントロールを遅延させる

研究の概要

敗血症と凝固障害を合併し、救急外来(ED)で腹部放射線学的介入を受けた患者において、凝固能補正は感染源コントロールの遅延と28日死亡率の約2倍の増加と関連しており、主要な出血合併症の発生率の減少には寄与しなかった。

研究方法

2011年から2020年にかけて、三次病院のEDで敗血症または敗血症性ショックと診断され、感染源コントロールのために腹部放射線学的介入を受けた成人患者597人(中央年齢74歳、女性46.6%)を対象とした後方視的コホート研究が実施された。

  • EDでの初期血液検査に基づき、患者は凝固障害がある群とない群に分類された。
  • 凝固障害群(n=161)では、介入前に凝固能補正(血小板、新鮮凍結血漿、クリオプレシピテートの輸血、またはビタミンK投与)を受けた患者(n=55)と受けなかった患者(n=106)の間で転帰が比較された。
  • 主要評価項目は28日死亡率、副次評価項目は主要な出血合併症の発生率であり、介入までの時間に対する凝固能補正の影響も検討された。

主要結果

  • 28日死亡率の増加: 凝固能補正を受けた患者は、受けなかった患者よりも28日死亡率が有意に高かった(41.8% vs 22.6%; P = .02)。凝固能補正と28日死亡率の増加との間に強い関連性が確認された(オッズ比 [OR], 2.52; P = .03)。
  • 出血合併症の非減少: 主要な出血合併症の有病率において、両群間に有意差は認められなかった(OR, 1.80; P = .13)。
  • 介入までの時間の遅延: 凝固能補正を受けた患者は、受けなかった患者よりも介入までの時間が有意に長かった(15.3時間 vs 6.0時間; P < .001)。

実践的示唆

「凝固能補正に伴う遅延が逆説的に転帰を悪化させる可能性があり、出血合併症の予防よりも感染源コントロールのためのタイムリーな介入がより重要な転帰決定因子である可能性を示唆している。敗血症患者において、凝固障害は単なる検査異常として補正すべきではなく、疾患重症度のマーカーと見なすべきである」と著者らは述べている。

限界

本研究の単一施設後方視的デザインは、一般化可能性を制限し、選択バイアスを導入した可能性がある。凝固能補正に関する標準化されたプロトコルがないことも、観察された死亡率との関連に影響を与えた可能性がある。また、腹部放射線学的介入を受けた凝固障害患者の数が比較的少なかったため、特に止血に関する転帰において、研究の統計的検出力が低下し、関連性が過小評価された可能性がある。

元記事:Coagulopathy Fix in Sepsis May Raise Risk for Mortality