MasSpec Pen:手術中にリアルタイムでがんを検出する革新的デバイス、ブラジルで評価開始
開発と評価の概要
ブラジルは、手術中にリアルタイムでがんを検出するデバイス「MasSpec Pen」の評価を開始した世界で2番目の国となった。
本システムは、ブラジルの科学者Livia Eberlin博士を含む研究チームとThermo Fisher Scientificが共同開発。
現在、ブラジルのサンパウロにあるイスラエリート・アルバート・アインシュタイン病院で研究プロトコルに基づいて評価が進められている。
米国での評価結果では、乳がん、肺がん、甲状腺がん、卵巣がんの特定において96%を超える精度、感度、特異度が示された(Science Translational Medicine誌に発表)。
デバイスの仕組みと主な利点
MasSpec Penは、組織に接触すると水滴を放出し、そこから細胞を吸収。質量分析技術(イオン化を利用して分子特性を検出)と人工知能(AI)データベースを用いて、その分子シグネチャをマッピングする。
この全プロセスは約90秒で完了し、病理学者の標準的な検査(数分かかる)よりもはるかに高速である。
腫瘍の特定に加え、新生物のマージンをより正確にマッピングする能力があり、残存がん組織を除去するための追加手術の必要性を減らすことが期待される。
これにより、患者の手術室滞在時間や麻酔時間を短縮し、外科的合併症のリスクも低減できる。
ブラジルでの研究と将来の展望
ブラジルでの研究は2年間継続され、肺がんと甲状腺がん患者60名を対象に行われる。
アインシュタイン病院の研究者は、MasSpec Penが腫瘍の免疫学的バイオマーカーを特定できるかという予後診断の可能性も評価しており、治療反応性や再発リスクに関するリアルタイム情報提供への期待がある。
専門家は、このデバイスを「革新的で破壊的な技術」と評価し、将来的には解剖病理分析を代替する可能性を指摘している。ただし、安全性、リスク、コストに関するさらなる研究が必要と強調されている。
高い精度が大規模かつ多様ながん種で確認されれば、外科医は腫瘍を安全なマージンで完全に除去し、切除による身体的負担を軽減できるようになる。
元記事:Brazil’s MasSpec Pen Finds Cancer in Real Time in 90 Seconds
