免疫チェックポイント阻害剤(ICI)の長期全生存期間データは不足
概要
免疫チェックポイント阻害剤(ICI)のがん治療における登録試験では、長期的な全生存期間(OS)データがほとんど報告されていないことが、クロスセクショナル分析により明らかになりました。FDA承認された転移性がんに対する約90のICI適応症のうち、3年OSデータが報告された試験は3分の1未満、5年OSデータに至ってはわずか約11%でした。
調査方法
研究者らは、2011年から2023年の間にFDAが承認した転移性がんに対するICI適応症88件を特定し、最長追跡期間を持つ登録試験のデータを用いて、ICI投与患者の長期生存に関するクロスセクショナル分析を実施しました。
評価項目: 12ヶ月、24ヶ月、36ヶ月、60ヶ月時点での参加者の生存割合を分析しました。
評価基準: 米国臨床腫瘍学会(ASCO)のValue Frameworkにおける「Tail of the Curve」を適用し、長期的な生存ベネフィットを評価しました。
治療法: 承認された88の適応症のうち、61.4%がICI単剤療法でした。残りは化学療法、他のモノクローナル抗体、またはTKIとの併用療法でした。
結果
88のICI適応症を評価した試験のうち、ASCOの「Tail of the Curve」ボーナスを獲得できたのはわずか22.7%(20件)でした。
30.7%(27件)の試験では、全生存期間データが報告されていませんでした。
全生存期間データが利用可能だった割合は以下の通りです。
24ヶ月時点: 半数
36ヶ月時点: 32%
60ヶ月時点: 約11%
長期的な全生存期間のベネフィットは、非小細胞肺がん(NSCLC)とメラノーマなど、一部のがん種に限定されていました。
- 肝胆道がんや子宮頸がんなど他のがん種に関する試験では、追跡期間が短いか、介入群と対照群との生存差が小さい傾向にありました。
結論
著者らは、「がん治療で最も望ましい結果である、5年以上の持続的生存という長期的なベネフィットは、わずか10%強の試験でしか確認できなかった」と述べています。