米国ACIP、B型肝炎ワクチン出生時接種の遅延と「共有意思決定」を推奨
米国疾病対策センター(CDC)の予防接種諮問委員会(ACIP)は、B型肝炎ワクチン出生時接種の遅延を推奨する投票を行った。これは、安全性と有効性のデータにギャップがあるという根拠のない主張に基づくもので、代わりに親と医師間の「共有意思決定」アプローチを提案している。
投票内容と結果
B型肝炎陰性の女性の場合、最初の接種は生後2ヶ月以降に行うべきであると、8名の委員が投票。
追加接種の必要性を評価する際、B型肝炎抗体のセロロジー検査を実施して保護抗体価(≥ 10 mIU/mL)が達成されているかを確認するために、保護者と医療提供者が相談すべきであると、6名の委員が投票。
専門家からの強い異議と懸念
複数の委員や医療専門家団体が、この推奨に強く異議を唱えている。
Cody Meissner医師とJoseph Hibbeln医師は、推奨を裏付けるエビデンスが提示されていないことを繰り返し指摘し、公衆衛生上の被害とB型肝炎感染率の増加を懸念した。
American College of Physicians (ACP)のJason Goldman医師は、提示されたデータが「疑問の余地があり」、エビデンスに基づかない推奨が「混乱を生み出す」と批判。
元ACIP議長のJose Romero医師は、「出生時接種の遅延は新生児を生命の重要な期間において無防備にし、予防可能な死を招く」と警告。
American Academy of Pediatrics (AAP) は、出生後24時間以内の接種推奨を継続すると表明し、その安全性と有効性は数十年にわたり厳格に検証されていると強調。
American Medical Association (AMA)のSandra Adamson Fryhofer医師は、今回のACIPの決定は「科学的根拠に基づかず、B型肝炎ワクチンの有効性を支持するデータを無視している」と述べ、CDCに推奨を拒否し、科学と公衆衛生へのコミットメントを維持するよう強く求めた。
既存の推奨と強力なエビデンス
現在のACIP推奨は1991年以来、すべての乳児への出生時接種である。
CDCのデータによると、1991年以降、小児B型肝炎感染は95%以上減少し、乳児の感染はほぼ排除されている。
出生時接種は、単独で周産期感染を約70%減少させ、B型肝炎免疫グロブリンとの併用で最大97%減少させることが示されている。
妊婦のB型肝炎検査率は約87%に留まるため、多くの妊婦が検査を受けていない現状では、ユニバーサル出生時接種が感染予防に不可欠である。
JAMAに発表された論評では、出生時接種をHBsAg陽性の母親から生まれた乳児に限定した場合、周産期HBV症例が63%から76%増加すると予測されている。
推奨変更の根拠と背景への疑問
ACIPパネルに招かれたCynthia Nevison博士(気候科学者、反ワクチン活動家)とMark Blaxill氏(実業家、反ワクチン活動家)は、出生時接種の無効性や有害事象(発熱、乳幼児突然死症候群など)を示唆するデータを提示。両氏は過去に撤回された論文の共著者である。
ACIP委員のVicky Pebsworth氏(反ワクチン団体所属)が主導した作業部会が安全性・有効性データをまとめたが、医学学会、製薬会社、患者擁護団体、主題専門家は参加していなかった。
- Pebsworth氏は、乳児の感染リスクは低いとし、ワクチンの安全性リスクは不明であり適切に評価されていないと主張。また、今回の見直しの主な理由は「政策の再検討を求めるステークホルダーグループからの圧力」であると認めた。
最終的な推奨は、CDC長官の承認が必要となる。
元記事:ACIP Backs ‘Shared Decision-Making’ on Hep B Vax Birth Dose