悪性大腸ポリープ切除後の手術省略は安全か?

高リスク悪性大腸ポリープ患者における非手術的管理の安全性と臓器温存の可能性

背景と研究目的

高リスクの悪性大腸ポリープに対しては、米国では大腸切除術が推奨されていますが、一部の患者は副作用やQOLへの影響を避けるため非手術的管理を選択します。本研究は、非手術的管理の安全性を評価することを目的としました。

研究方法

2015年から2022年にかけて実施された単一施設コホート研究で、結腸(226名)または直腸(110名)のポリープ切除を受け、少なくとも1つの高リスク特徴(陽性断端、不確実な断端を伴う分割切除、リンパ管侵襲、神経周囲侵襲、低分化、腫瘍芽)を持つ336名の患者を対象としました。分析では、悪性ポリープ切除後に即時手術を受けた患者(62%)と非手術的管理を受けた患者(38%)における残存病変率を比較しました。非手術的管理群の15%(19名)はポリープ切除後に全身化学療法を受けました。

主要な結果

全体的な残存病変率: 全体で19%(336名中63名)の患者に残存病変が認められました。

即時手術群(208名):

25%(51名)に残存病変が認められ、内訳は腸壁に9%(19名)、所属リンパ節に19%(39名)でした。

術後合併症は12%(25名)に発生し、うち3%(7名)はグレード3以上の重篤な合併症でした。

非手術的経過観察群(128名):

経過観察中に9%(12名)が再発し、内訳は腸壁に6%(7名)、所属リンパ節に4%(5名)でした。

非手術的経過観察群における全ての再発は、サルベージ手術(6名)または化学放射線療法(6名)によって成功裏に治療されました。

直腸温存率と括約筋温存率(非手術群):

直腸から悪性ポリープが切除された非手術群の患者(79名)において、直腸温存率は94%(74名)でした。

肛門縁から5cm未満の腫瘍に対する括約筋温存率は91%でした。

  • 遠隔転移: 両群全体で2%の患者に遠隔転移が発生しました。

結論

研究者らは、「高リスク特徴を持つ悪性大腸ポリープ切除後の残存病変リスクはかなり高いものの、非手術的管理は臓器温存の可能性を提供し、直腸癌が発見された場合には効果的なサルベージ治療の選択肢が利用可能である」と結論付けました。

研究の限界

研究の限界として、患者間の追跡期間のばらつき、分割切除後の病理組織評価の困難さ(特に腫瘍芽などの高リスク特徴の評価)、および専門のがんセンターで実施されたため、結果がより専門性の低いセンターに完全には一般化できない可能性が挙げられています。

開示情報

本研究の著者の一部は、製薬会社からのコンサルティング料や研究資金、ロイヤリティなどを受け取っていることを開示しています。

元記事:Is It Safe to Skip Surgery After Colorectal Polyp Removal?