米国における産婦人科医(Ob/Gyn)の将来的な大幅な不足を予測
2025年、米国の産婦人科医(Ob/Gyn)の供給は全国的に需要の93.4%を満たしていましたが、今後10年間でハワイ、ニューヨーク、コネチカット、メリーランド、ロードアイランド、ルイジアナの6州を除くすべての州で大幅な不足が見込まれています。特に非都市部(nonmetro regions)が最も大きな影響を受けると予測されています。
将来の労働力予測と深刻な不足地域
全国のOb/Gyn労働力は2035年までに9.3%減少すると予測されており、都市部では11.7%、非都市部では5.3%の減少が見込まれます。最も深刻な不足に直面するのはネバダ、アリゾナ、アーカンソー、オクラホマ、アイオワ、アイダホ、ユタの7州で、需要の70%未満しか満たせないとされています。合計で33州が深刻な不足(需要の85%未満)を経験すると分析されています。この予測は、米国医科大学協会(AAMC)の予測とも一致しています。
分析方法と限界
この分析は、米保健資源サービス局(HRSA)の保健医療労働力シミュレーションモデルのデータに基づいています。このモデルは、人口データ、医療利用パターン、現在の労働力データ、教育パイプラインデータ、供給と需要を考慮しています。
強みとして、パートタイムとフルタイムの臨床医を40時間労働のフルタイム換算(FTE)で考慮している点が挙げられます。
しかし、いくつかの限界も指摘されています。
データ収集がパンデミック期の2022年であること。
一般産婦人科医と母体胎児医学などのサブスペシャリストを区別していないこと。サブスペシャリストの一部は専門業務に全く時間を割いていないケースも報告されており、これが労働力計画のニュアンスを曖昧にする可能性があります。
FTEモデルが実際の臨床能力を過大評価する可能性。
助産師、女性の健康専門の医師助手(PA)、女性の健康専門のナースプラクティショナー(NP)のモデルが別々であり、チームベースのケアの全体像を把握できないこと。
緩和戦略と課題
不足を緩和するための戦略として、以下の点が提案されています。
Ob/Gynの育成パイプラインの拡大。
既存の労働力の維持(早期退職の抑制など)。
高度実践看護師(APN)の統合。
テクノロジー(遠隔医療など)を活用したリーチの拡大。
ケア提供モデルの最適化(プライマリケア医の関与、APNの追加など)。
農村部などのサービスが十分でない地域での勤務を奨励するローン返済プログラム。
また、「Dobbs v. Jackson Women’s Health Organization」判決がOb/Gynの労働力に負の影響を与える可能性も指摘されていますが、その影響の程度はまだ不明です。高齢化する女性人口に伴う婦人科サービス(がんケア、骨盤底障害、更年期管理)の需要変化も、将来の労働力計画において考慮すべき重要な要素です。研修医の増員は解決策の一つですが、資金不足が課題となっています。専門分野におけるバーンアウトや長時間労働も重要な課題です。