オーストラリア・ビクトリア州の公立病院医師、不十分な待遇にストライキを検討

ビクトリア州公立病院医師、労働争議を開始へ:長時間勤務、未払い残業、育児休暇が争点

オーストラリアのビクトリア州にある公立病院の医師たちが、政府が長時間勤務、未払い残業、他の公務員より短い育児休暇手当といった要求に応じなかったことを受け、労働争議を開始することを投票で決定しました。

労働争議の背景と医師側の主張

オーストラリア給与医師連盟ビクトリア支部(ASMOF Victoria)の組合員投票では、実に97%が労働争議のエスカレートを支持し、公立病院システムは「限界に達している」と主張しています。

患者安全への配慮: オーストラリア医師会(AMA)ビクトリア支部のサイモン・ジャドキンス会長は、「患者の安全に影響を与えるようなことはしたくない」と述べつつも、請求業務の停止や、時間外の管理会議への不参加などを検討していることを明らかにしました。

20年ぶりの行動: ビクトリア州の公立病院医師が労働争議に踏み切るのは20年ぶりであり、医師の給与と労働条件を巡る州政府との1年間の交渉の末の決定です。

主要な問題点

AMAビクトリア支部の研修医部門委員長であるステファニー・デイビーズ医師は、以下の点を主要な問題として挙げています。

長時間勤務: 「現在の条件では、残業を含まず1シフトあたり12〜14時間働くことがある」と述べ、疲労が蓄積し、多くの医師がパートタイムに切り替えるか、医療システムから離れている現状を指摘。医師側は最大シフト時間を12.5時間に短縮し、2週間に2週末の休みを求めています。

未払い残業: 研修医から上級コンサルタントまで、オンコール勤務の残業が適切に支払われていないとジャドキンス医師は指摘。「電話がかかってきても報酬が支払われず、それがまた無償のサービスとして期待されている」と述べています。

育児休暇: 公立病院医師が他の公務員よりも少ない有給育児休暇しか受け取れていない点も問題視されており、特に「女性の割合が非常に大きい私たちの労働力にとって、本当に残念なことだった」とデイビーズ医師はコメントしています。

交渉状況と政府の対応

交渉は1年間続き、既存の協定は2月末に期限切れとなりました。州政府は解決に向けて努力を続けると述べていますが、デイビーズ医師は「改善や合意に至るための大きな動きは見られない」と不満を表明しています。

資金問題: 州政府は資金不足を要求拒否の理由としていますが、ジャドキンス医師は「他の職種には明確に資金を見つけられるのに、公立病院の医師には見つけられないことへの不満がある」と述べています。

  • 政府の声明: ビクトリア州保健大臣のハリエット・シングは、交渉と議論は「誠意をもって」継続されており、病院は患者が必要なケアを引き続き受けられるよう計画を立てると述べています。

今後の展開

労働争議は州の労働関係法によって保護されており、当初は医師による抗議活動や、時間外会議を含む管理業務の拒否が見込まれます。最終手段として業務停止にエスカレートする可能性もありますが、AMAはいかなる労働争議においても患者ケアが中断されず、患者の安全が最優先されることを強調しています。

元記事:Australian Hospital Doctors Threaten Strike Action