小児の夜間遺尿症における親の治療選択:保存的治療への高い選好
新たに単一症候性夜間遺尿症(MNE)と診断された子供を持つ親は、薬物療法よりも保存的治療を好む傾向があることが示された。特に、大学教育を受けた父親は、保存的治療の有効性について高い期待を抱いている。
調査方法
トルコの三次小児泌尿器科クリニックにて、未治療のMNEの子供126人(中央年齢9.1歳、男児59.5%)の親を対象に、初診時の治療選好と期待を評価する横断調査が実施された。
- 診断基準: 国際小児排泄機能学会の基準に基づき、日中の下部尿路症状がなく、月に1回以上、最低3ヶ月間の遺尿エピソードと定義された。
- 遺尿の分類: 月に17回以上の濡れた夜を重度遺尿、17回未満を軽度遺尿とした。
- カウンセリングと調査: 初診時に、親は保存的治療に関する標準化されたカウンセリングと、薬物療法、遺尿アラーム療法などの代替治療の概要説明を受けた後、家族の人口統計学的・社会経済的詳細に関するアンケートと、治療アプローチに関する10項目の質問票に回答した。親は選好に基づき、保存的治療群(n = 74)と薬物療法群(n = 52)に分けられた。
主な調査結果
- 軽度遺尿における選好: 軽度遺尿の子供を持つ親では、54.2%が保存的治療を、45.8%が薬物療法を好んだ。
- 重度遺尿における選好: 重度遺尿の場合、両グループ間で選好に有意な差はなく、59.8%の親が保存的治療を支持した(P = .614)。
- 有効性への信念: 保存的治療を好む親は、薬物療法を好む親よりもその有効性を信じている傾向が強かった(P < .001)。
- 父親の教育レベルと期待: 大学教育を受けた父親は、教育レベルが低い父親よりも保存的治療の有効性に対して高い期待を抱いていた(P = .013)。
- 完全な夜間乾燥への期待: 親の71.4%が完全な夜間乾燥(月に濡れた夜がゼロ)を期待しており、この期待は治療選好グループ間で差がなかった。
臨床的意義
これらの知見は、初期の治療計画において親の信念と期待が重要であることを強調している。親の態度や教育背景を理解することは、共有意思決定を促進し、治療の遵守を向上させる可能性があり、特に継続的な親の関与と忍耐を必要とする非薬物療法において、治療成功の重要な要素となる。
研究の限界
本研究は横断研究デザインであり、因果関係の特定はできない。標準化されたカウンセリング後にアンケートが実施されたため、親の回答に影響を与えた可能性がある。また、単一の三次医療センターでの実施であるため、その知見が他の設定に適用できない可能性がある。
元記事:Parents Often Prefer Conservative Care in Pediatric Enuresis