CDC臨時局長によるMMRワクチン個別化の提案とその波紋
CDC(疾病対策予防センター)のジム・オニール臨時局長が、MMRワクチン(麻疹、おたふく風邪、風疹の混合ワクチン)を3つの個別接種に分けるべきだと提唱し、物議を醸しています。
科学的根拠の欠如と政治的背景
オニール氏は医療や科学のバックグラウンドを持たない元テック投資家であり、この提案はドナルド・トランプ前大統領のソーシャルメディア投稿を引用したものです。トランプ氏もMMRワクチンの分割を求めると共に、アセトアミノフェン使用と自閉症の関連性という、広く否定されている主張を拡散していました。
専門家からの強い反論
科学専門家は、MMRワクチンの個別化は実行不可能であり、米国では個別のワクチンが入手できないため、子どもたちが深刻な病気に脆弱になる可能性を指摘しています。
小児病院のワクチン科学者であり、FDA諮問委員会の元メンバーであるポール・オフィット博士は、この提案に強く反論。反ワクチン言説の根源とされるアンドリュー・ウェイクフィールドの研究が、MMR複合ワクチンが自閉症を引き起こすと主張したことに言及しました。しかし、24件の遡及研究では、MMRワクチン接種の有無にかかわらず、自閉症の発症率に差がないことが示されています。
公衆衛生への懸念と製薬会社の立場
オフィット博士は、MMRを分割することはワクチン費用を増加させ、子どもたちが2回ではなく6回の接種を必要とすることになり、公衆衛生にとって有害であると警告しています。
製薬会社のMSD(Merck & Co.)とGSKも、米国市場には承認された個別の麻疹、おたふく風邪、風疹ワクチンは存在せず、接種回数の増加は接種漏れのリスクを高め、保護効果を損なうことになると表明しています。
CDC内部の動きとの関連
オニール氏の投稿は、CDCの予防接種諮問委員会(ACIP)が4歳未満のMMR+水痘(水ぼうそう)混合ワクチンProQuadの使用に反対し、COVID-19ワクチンへの支持を後退させた直後に行われました。彼の発言がトランプ氏のレトリックを単に繰り返しているのか、あるいは米国における小児予防接種をさらに修正・制限しようとする動きの一環なのかは不明です。
