乳がんの再発を防ぐ「スリーパーセル」標的治療法
ペンシルバニア大学の研究者チームは、乳がんの再発・転移の原因となる隠れた「スリーパーセル(播種性腫瘍細胞、DTCs)」を標的とする画期的な治療法を開発しました。これらの細胞は原発腫瘍から分離し、骨髄などの体内で検出されずに潜伏します。
従来の課題と新しいアプローチ
従来の標準的な乳がん治療では、がんが目に見えて再発してから発見されることが多く、その時には治癒が困難でした。アンジェラ・デミケーレ医師率いる研究チームは、この課題に対し、潜伏しているDTCsを早期に特定し、攻撃して排除する方法を進展させました。
臨床試験の有望な結果
小規模なフェーズ1/2臨床試験には51人の女性が参加し、中央値3年間追跡されました。この試験では、DTCsが確認された患者に対し、ヒドロキシクロロキン、エベロリムス、またはその併用薬が投与されました。
無病生存率(3年時点):
ヒドロキシクロロキン群: 91.7%
エベロリムス群: 92.9%
併用群: 100%
効果の改善: スリーパーセルが消失した患者で生存率が最も改善しました。
7年追跡結果: 2人の参加者のみが再発を経験。これは、この高リスク群で統計的に予測される再発率を大幅に下回るものでした。
患者への影響と今後の展望
この研究は、再発の恐怖に直面する患者に希望を与えています。研究チームは今後、より大規模な臨床試験を実施してこれらの発見を確定させるとともに、この標的アプローチが他のがん種の再発予防にも応用できるかを探る計画です。
元記事:Targeting Hidden Breast Cancer 'Sleeper Cells' May Prevent Relapse
