低用量アスピリン、2型糖尿病患者の健康に有益である可能性、研究で示唆

低用量アスピリン、2型糖尿病患者の健康に有益である可能性、研究で示唆

低用量アスピリン、2型糖尿病患者の心臓血管イベント予防に利益か

新しい研究によると、2型糖尿病患者にとって低用量アスピリンが心臓発作や脳卒中の予防に役立つ可能性が示されました。この研究結果は、2025年11月9日に開催される米国心臓協会(AHA)の年次会議で発表される予定です。

研究の背景と目的

長年にわたり、アスピリンは初回心臓発作や脳卒中のリスクを下げるために広く推奨されていましたが、2022年には米国予防サービス作業部会(USPSTF)が、アスピリンの出血リスクを考慮し、その心臓血管の利益がわずかに上回るに過ぎないとして推奨を改訂しました。しかし、研究者らは、2型糖尿病が心血管疾患の既知のリスク因子であることから、この特定の高リスク集団における低用量アスピリンの使用状況と効果をより深く理解することを目指しました。

研究結果

ピッツバーグ大学医療センターの健康システムに登録された、心臓リスクが高い約11,700人の2型糖尿病成人患者の健康記録を追跡調査しました。その結果、低用量アスピリンを服用した糖尿病患者は、服用しなかった患者と比較して、以下のリスクが有意に低いことが判明しました。

心臓発作: 42% vs 61%

脳卒中: 15% vs 25%

  • 全体的な死亡率: 33% vs 51%

アスピリンの服用が定期的なほど、その利益は最大でした。また、アスピリンの利益は血糖コントロールの有無にかかわらず見られましたが、血糖値が低いほどリスク軽減はより顕著でした。

限界と今後の展望

研究者らは、本研究が出血リスクの高い患者の記録を除外しており、出血イベントやその他の副作用を追跡していない点を重要な限界として指摘しています。今後の研究では、糖尿病患者における出血リスクと心臓血管の利益のバランス、およびGLP-1受容体作動薬やその他の脂質降下薬といった新しい2型糖尿病・心疾患治療薬との相互作用を調査する必要があるとしています。

専門家の見解

米国心臓協会(AHA)のスポークスパーソンは、AHAが現在、心血管疾患の既往がない2型糖尿病成人に対する低用量アスピリンの一次予防を推奨していないことを確認しつつも、今回の研究がさらなる研究と検証のための良い問いを提起しているとコメントしました。

重要な注意点として、本研究はアスピリンの使用と心臓健康リスクの低下との間に直接的な因果関係を示すものではなく、潜在的な関連性を示唆するに過ぎません。 また、医療会議で発表された知見は、査読付きジャーナルに掲載されるまでは予備的なものと見なされるべきです。

元記事:Low-Dose Aspirin Might Benefit Adults With Type 2 Diabetes, Study Says