豚の腎臓が移植不足を解消するか?米国で初の臨床試験が開始
2025年11月5日、米国で豚の腎臓を用いた初の臨床試験が開始されました。これは、ヒトの臓器移植を待つ人々の命を救う可能性を探るものです。
United Therapeutics社が開発した遺伝子編集された豚の腎臓は、NYU Langone Healthで最初の移植が行われました。患者のプライバシー保護のため、身元や手術日は非公開です。NYUの外科医であるロバート・モンゴメリー博士が移植チームを率い、病院にはすでに参加を希望する患者が多数いると述べています。
試験の規模と目的
この臨床試験は、まず6人の参加者から開始され、初期結果が安全で有望であれば、最大50人にまで拡大する可能性があります。米国では10万人以上が全国の移植待機リストに登録されており、そのほとんどが腎臓を必要としています。毎年数千人が臓器提供不足のために命を落としており、このため科学者たちは異種移植(動物の臓器を人間に移植すること)を可能な解決策として模索しています。
過去の事例と安全性
これまでの「人道的利用」での手術では、様々な結果が出ています。ある女性は豚の腎臓で130日間生存した後、透析を再開しました。ニューハンプシャーの男性は271日間生存しましたが、豚の腎臓が機能不全となり摘出されました。現在も米国と中国で数名の患者が豚の腎臓で生活しています。
モンゴメリー博士は「状況は正しい方向に進んでいる」と述べ、必要に応じて患者が透析に戻れるため、この処置には安全網が組み込まれていると付け加えました。
遺伝子編集技術
今回の試験で使用される豚の腎臓には、10箇所の遺伝子編集が施されています。これにより、臓器拒絶反応を引き起こす豚の遺伝子が除去され、体が移植を受け入れやすくするヒトの遺伝子が追加されています。
別の企業であるeGenesisも、同様の臨床試験を近く開始する予定です。
元記事:Could Pig Kidneys End the Transplant Shortage? First U.S. Trial Begins
