Johnson & Johnson、EGFR変異NSCLC向け皮下投与製剤「Rybrevant Faspro」のFDA承認を取得
Johnson & Johnson(J&J)は、EGFRxMET二重特異性抗体Rybrevant(アミバンタマブ)の皮下投与バージョンである「Rybrevant Faspro」のFDA承認を取得しました。これは、既存の静脈内(IV)投与製剤が承認されている全ての適応症が対象となります。
承認の経緯と製品の特長
J&Jは昨年、製造品質に関する懸念からRybrevant皮下製剤の最初の販売申請をFDAに却下されていましたが、今回は承認に至りました。Rybrevant Fasproは、アミバンタマブとヒアルロニダーゼを組み合わせた製剤で、EGFR変異非小細胞肺がん(NSCLC)向けとしてFDAが承認した初の皮下投与治療薬となります。これにより、投与時間が「数時間から数分」へと大幅に短縮され、投与関連反応も軽減されるとJ&Jは述べています。
Rybrevantの市場における位置付けと課題克服
現行のIV製剤Rybrevantは、未治療および再発/難治性のEGFR変異NSCLCに対し、単剤療法および化学療法やJ&JのEGFR阻害薬Lazcluze(ラゼルチニブ)との併用療法で計4つのFDA承認を得ています。市場リーダーであるAstraZenecaの経口EGFR阻害薬Tagrisso(オシメルチニブ)の主要な競合と目されており、MARIPOSA試験では、Rybrevant/LazcluzeがTagrissoに対し主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)で優位性を示しました。
これまでRybrevantの成長は、複雑な投与方法(分割投与、長時間注入)や副作用によって抑制されていましたが、Rybrevant Fasproによってこれらの課題が克服されることで、J&Jは売上の加速を期待しています。同社は、Rybrevantを年間50億ドル規模のブロックバスターに育てるという目標を掲げており、第3四半期にはRybrevantとLazcluzeの合計売上が1億9800万ドルに達しました。
承認の根拠と競合の動向
皮下投与製剤の承認は、PALOMA-3試験の結果に基づいています。この試験では、IV Rybrevantと同等のアミバンタマブ血中濃度が達成され、全生存期間(OS)を含む臨床転帰の改善が示されました。
一方、AstraZenecaは最近、Tagrissoと化学療法の併用療法で承認を取得し、FLAURA2試験ではPFSおよびOSにおいてRybrevantに匹敵する結果を示しました。これにより、両社は最前線治療におけるそれぞれのデータの優位性を主張し、激しいマーケティング競争を繰り広げています。
患者団体からのコメント
GO2 for Lung Cancer患者支援団体の最高医療提供責任者であるJoelle Fathi氏は、「患者は、疾患をより正確に標的とするだけでなく、生存期間を大幅に改善する、シンプルで化学療法不要な最前線治療の選択肢を得た」とコメントしました。また、「この治療法は、長時間の点滴による身体的・精神的負担を軽減し、患者とその家族が貴重な時間を取り戻し、治療ではなく生活に焦点を当てる機会を提供する」と付け加えています。