トランプ政権の医薬品価格引き下げ政策、新たに9社が合意
トランプ政権の「最恵国待遇(MFN)」スキームに基づき、新たに9つの製薬企業が米国での医薬品価格引き下げに合意しました。これは、関税を回避するための措置です。
合意企業と政策の目的
新たに合意したのは、米国企業のAmgen、Bristol Myers Squibb、Gilead Sciences、Merck/MSD、そしてRocheのGenentech部門です。また、欧州企業からはBoehringer Ingelheim、GSK、Novartis、Sanofiも条件に同意しました。これらの企業は、Medicare利用者および現金購入者向けに、TrumpRxという直接消費者向け(DTC)販売チャネルを通じて医薬品価格を引き下げます。
MFN政策の目的は、米国の医薬品価格を他の先進国で支払われる価格と同水準にすることです。ホワイトハウスによると、これらの合意により「数十億ドルの節約」がもたらされる見込みです。ただし、この価格設定は、民間医療保険を持つ大多数の米国人や、すでに大幅な割引が適用されているMedicaidを通じて医薬品を入手する人々には影響しません。
提供される医薬品と割引
TrumpRxチャネルは来年初めに開設予定で、以下の医薬品が割引価格で提供されます。
- Amgenのコレステロール低下注射薬 Repatha (evolocumab)
- BMSのHIV治療薬 Reyataz (atazanavir)
- Sanofiの血液凝固防止薬 Plavix (clopidogrel)
- Novartisの多発性硬化症治療薬 Mayzent (siponimod)
- GSKの呼吸器系治療薬
- Boehringerの糖尿病治療薬 Jentadueto (linagliptin/metformin)
- MSDの糖尿病治療薬 Januvia (sitagliptin)
- GileadのC型肝炎治療薬 Epclusa (sofosbuvir/velpatasvir)
- Genentechのインフルエンザ薬 Xofluza (baloxavir marboxil)
これらの医薬品は、定価から最大70%の割引で提供されます。さらに、GSK、BMS、MSDの3社は、外国への依存を減らすため、主要医薬品の有効成分(API)を米国の備蓄に寄付することにも合意しました。
背景と大統領の発言
トランプ大統領は、今回の合意を「アメリカのヘルスケア史上、患者の費用負担能力にとって、これまでで最大の勝利」と述べました。この発表は、物価上昇や「手頃な価格」を民主党のデマだと批判されていたトランプ大統領にとって、生活費に関する肯定的なニュースとなる可能性があります。また、議会が「医療費負担適正化法(ACA)」に基づく連邦税額控除の失効を防ぐ合意に至らず、数百万人の医療保障と費用に影響が出ていることへの不満から注意をそらす狙いもあると見られています。