Eli Lilly、2026年に力強い売上・利益成長を予測し、Novo Nordiskとの競争で優位に立つ
Eli Lillyは、肥満治療薬市場における主要な競合であるNovo Nordiskが直面する価格圧力の影響を払拭するかのように、2026年に売上と利益の大幅な成長を予測しています。この楽観的な見通しは、第4四半期の売上が前年同期比43%増の193億ドルに達したことに基づいています。この成長は、同社のチアゼパチド系肥満治療薬Zepboundと糖尿病治療薬Mounjaroの「販売量増加」によって牽引されました。
MFN価格協定下でのLillyとNovo Nordiskの対照的な予測
ZepboundとMounjaroの両薬は、Novo Nordiskのセマグルチド系競合薬であるWegovyとOzempicと同様に、トランプ政権との最恵国待遇(MFN)価格協定の対象となっています。しかし、Novo Nordiskがその結果として今年の売上急減を予測しているのに対し、Lillyは通期売上が2025年の650億ドル強から2026年には800億ドル超に増加すると見込んでいます。
この予測の相違は、Zepboundの肥満治療における強力な成長に起因すると考えられます。ZepboundはWegovyよりも優れた減量効果を示すデータに支えられ、第4四半期のLillyの同薬売上は123%急増し、42億6000万ドルに達しました。これはアナリストの予想を大きく上回り、Wegovyの17%増の34億6000万ドルを凌駕しています。特に米国では、Novo NordiskのWegovyの売上が2%減少しており、長期間にわたる力強い成長が反転しました。
Lillyのアクセス拡大への取り組みと今後の競争
Lillyの最高経営責任者であるDavid Ricks氏は、2025年を同社にとって「重要な年」と位置づけ、製造への投資、米国連邦政府との価格協定、LillyDirectのような消費者直販(DTC)チャネルの拡大を通じて、肥満治療薬へのアクセス拡大に注力する意向を示しました。
両社は米国市場で、減量薬の価格引き下げとより広範なアクセス提供のバランスを取ろうとしています。
今年の競争環境はさらに変化するでしょう。経口Wegovyの承認・発売が既に好調なスタートを切っており、LillyのorforglipronもFDAの承認が得られれば数週間以内に追随する見込みです。また、注射剤の減量薬分野では、2026年にはNovo Nordiskの二重療法薬CagriSema(カグリリンタイドとセマグルチド)とLillyの新しい三重アゴニストretatrutideが競合する可能性があります。
Pfizerの減量薬開発の状況
LillyとNovo Nordiskが支配する減量薬市場に参入を試みるPfizerは、第2相試験データの発表後、株価が圧迫されました。PfizerがMetseraの100億ドル買収の一環として取得した月1回注射のPF-08653944の第2b相VESPER-3試験結果では、6ヶ月後に最大10.5%の減量効果が示されましたが、投資家を失望させたようで、発表後Pfizerの株価は約3%下落しました。