Eli LillyとInnovent Biologics、戦略的R&D提携を深化
Eli Lillyは、中国のバイオ医薬品企業であるInnovent Biologicsとの7回目のR&D提携を締結し、3億5000万ドルの前払い金を支払いました。両社は10年以上にわたり協力してきましたが、今回の新契約により、腫瘍学と免疫学にわたる戦略的レベルのパートナーシップへと移行し、潜在的なマイルストーン支払い総額は約85億ドルに上ります。
中国バイオ医薬品R&Dの台頭
この提携規模は、中国がバイオ医薬品R&Dの牽引役となっている現状を改めて強調しています。ゴールドマンサックスのレポートによると、2025年前半にヒト臨床試験を開始した新規薬剤分子の約46%が中国のバイオ医薬品企業発であり、10年前の17%から大幅に増加しています。
Innoventにとっての「新しいモデル」
Innoventは、今回のLillyとの契約が従来のライセンス契約とは異なり、同社のパイプラインのグローバル開発を加速する「新しいモデル」を確立するものだと述べています。InnoventのCEOであるMichael Yu氏は、これを「シームレスでエンドツーエンドのイノベーションエコシステムを創造する」ものとし、InnoventのR&D能力を裏付けるものであると強調しています。
提携条件と共同開発品
契約条件の下で、Innoventは中国における概念段階から第2相臨床試験完了までのパートナープログラムの開発を主導します。その後、Lillyは中国圏外での製品の独占的なライセンスを取得し、開発と商業化を行います。
両社はすでに複数の薬剤候補を臨床試験に進めています。
- mazdutide: 肥満および2型糖尿病治療用の注射型デュアルGLP-1/グルカゴン受容体作動薬。中国で既に承認されており、米国では初期段階の臨床試験中です。
- Tyvyt (sintilimab): PD-1阻害薬。中国では再発/難治性古典的ホジキンリンパ腫などで承認されていますが、Lillyは米国での承認申請をFDAに却下され、プロジェクトを中止しました。
Lillyの広範なR&D戦略
Lillyは、現在のGLP-1ベースの減量・糖尿病治療製品の急成長により豊富な資金を持ち、今回のInnoventとの提携は、同社のパイプライン構築に向けた広範な取り組みの一環です。今年に入ってからは、炎症性疾患治療薬の開発企業Ventyx Bioを12億ドルで買収合意したほか、チップ大手NVIDIAとのAI創薬パートナーシップ、Seamless Therapeutics、Repertoire Immune Medicines、Nimbus Therapeuticsとのライセンス契約を締結しています。
元記事:Lilly strikes $8.8bn-plus alliance with China's Innovent