Hansa Biopharma社のイムリフィダーゼ、米国で腎移植を希望する高度感作患者向けにFDAの審査開始

FDA、Hansa Biopharma社のイムリフィダーゼを審査開始

FDA(米国食品医薬品局)は、Hansa Biopharma社のイムリフィダーゼ(imlifidase)の審査を開始しました。これは、腎移植を必要とするものの、ドナーを見つけることが特に困難な患者を対象としており、年内の決定が予定されています。

「高度感作」患者への新たな希望

スウェーデンのバイオ医薬品企業であるHansa Biopharmaによると、もし承認されれば、イムリフィダーゼは米国で「高度感作」患者の腎移植成功率を向上させる初の治療薬となります。

高度感作患者とは?

腎移植待機患者の約10%から15%が「高度感作」に分類されます。これは、ヒト白血球抗原(HLA)に対する抗体レベルが非常に高く、移植された臓器を拒絶する可能性が高いことを意味します。このため、適合するドナーを見つけることが困難であり、高度感作患者は著しく長期にわたる、場合によっては無期限の待機期間に耐え、長期透析に依存せざるを得ない状況にあります。

イムリフィダーゼの作用と既存市場

イムリフィダーゼは、移植前にHLA指向性抗体のレベルを抑制することで、患者を脱感作するために使用されます。この薬剤は、すでに欧州をはじめとする世界の市場で「Idefirix」というブランド名で販売されています。

FDA審査の状況と臨床試験結果

Hansa社は昨年12月にイムリフィダーゼの生物学的製剤承認申請(BLA)を提出し、優先審査を求めていましたが、これは却下された模様で、決定日は8月から今年の12月19日に設定されました。この申請を裏付ける米国のConfIdeS試験では、主要評価項目を達成しました。高度感作の成人腎移植患者において、イムリフィダーゼ投与群では、12ヶ月時点での平均推定糸球体濾過量(eGFR)で測定された腎機能が対照群と比較して有意に改善されました。また、透析を必要とせずに生存する患者の割合も増加しました。

市場の勢いと今後の展望

2020年にEUで初の条件付き承認を得たIdefirixの売上は、昨年46%増加し2億400万スウェーデンクローナ(約2210万ドル)に達しました。これは、EU、英国、スイス、オーストラリアなどの市場での償還レベルの向上によるものです。2024年第4四半期には、前年同期比で139%の増加を示すなど、さらなる勢いを見せています。

現在、米国の移植待機リストには推定10万人が登録されており、FDAによる承認は、Hansa社の収益のほぼ全てを占めるイムリフィダーゼにさらなる勢いを与えるでしょう。同社はすでに米国での成功的な発売に必要なインフラとリソースの構築を開始しており、米国事業責任者の採用や、FDAの決定に先立って約20名の営業チームを編成する予定です。

Hansa社の最高経営責任者であるRenée Aguiar-Lucander氏は、FDAの審査開始と決定日が「Hansa Biopharmaと米国で腎移植を待つ高度感作患者にとって重要な節目となる」と述べています。

その他の開発状況

同社はまた、遺伝子治療において、ウイルスのベクターに対する抗体形成を防ぐためのイムリフィダーゼの応用も開発しており、初期段階では有望な結果が得られています。ただし、抗糸球体基底膜(抗GBM)病に関する研究では否定的な結果でした。

元記事:Hansa closes on FDA verdict for transplant drug imlifidase