BayerのKerendia、1型糖尿病に伴う慢性腎臓病(CKD)に適応拡大
BayerのKerendia(フィネレノン)が、米国において1型糖尿病(T1D)に伴う慢性腎臓病(CKD)の治療薬として適応を拡大しました。これは、これらの患者に対する約30年ぶりの新しい治療法となります。
既存の適応と売上状況
ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)であるKerendiaは、既に2型糖尿病(T2D)に伴うCKDおよび心不全の治療薬として承認されています。今年上半期の売上は75%増の6億ユーロを超え、Bayerの主要な成長見込み製品の一つです。
適応拡大の根拠:FINE-ONE試験
今回の新たな適応は、第3相FINE-ONE試験の結果に基づいています。この試験では、T1DとCKDの患者に対し、標準治療にKerendiaを追加することで、腎臓損傷のバイオマーカーである尿中アルブミン・クレアチニン比(UACR)がプラセボと比較して有意に減少することが示されました。
試験詳細: New England Journal of Medicineに3月に掲載。242名の被験者を対象。
結果: 6ヶ月後、KerendiaはUACRをベースラインから25%減少させ、腎機能の指標である推定糸球体濾過量(eGFR)も改善しました。
T1D市場の重要性
T1D市場はT2D市場よりも小さいものの、米国ではT1D患者の約30%が最終的にCKDを発症し、腎不全や心血管イベントのリスクを高めるため、依然として大きな機会となります。
今後の展望とBayerの戦略
Bayerは、非糖尿病性CKD患者への適応拡大も目指しており、FIND-CKD試験の結果に基づいてさらなる申請を検討しています。FIND-CKD試験では、高血圧や慢性糸球体腎炎などに関連するCKD患者において、標準治療にフィネレノンを追加することで、eGFRの年間低下率がプラセボと比較して有意に遅延することが示され、主要評価項目を達成しました。
Bayerは、Kerendiaの全適応症での年間売上高が30億ユーロ以上になると予測しており、抗凝固薬Xarelto(リバーロキサバン)の特許切れや眼科薬Eylea(アフリベルセプト)の競争激化に対応するため、前立腺がん治療薬Nubeqa(ダロルタミド)やNSCLC治療薬Hyrnuo(セバベルチニブ)と共に、Kerendiaを主要な成長製品として位置付けています。
元記事:Bayer's Kerendia gets broader use in diabetic kidney disease