MSDの癌免疫療法薬キイトルーダ、皮下注射剤として登場 – 点滴クリニック受診不要に

MSDの癌免疫療法薬キイトルーダ(Keytruda)が、点滴クリニックへの訪問が不要となる皮下注射製剤「Keytruda Qlex」として利用可能になります。

Keytruda Qlexの概要と利点

  • 成分: ペムブロリズマブとベラヒアルロニダーゼアルファ
  • 投与: 医療従事者による投与が必要ですが、従来の30分かかる静脈内点滴に対し、わずか数分で完了します。
  • 投与間隔: 静脈内製剤と同様に3週間または6週間ごと。
  • 患者の利便性: MSDによると、患者の「椅子に座っている時間と治療時間」を半分に短縮できます。また、患者はより多くの医療機関で治療を受ける選択肢が得られます。

FDA承認とMSDへの影響

  • 承認範囲: FDAは、キイトルーダが既に承認されているほとんどの固形腫瘍適応症に対して新バージョンを承認しました。
  • MSDの売上: キイトルーダはMSDにとって最大の売上薬であり、今年上半期で150億ドル以上を記録しています。
  • 特許保護: 2028年以降に特許保護を失うため、この皮下注射バージョンは、静脈内製剤のバイオシミラー登場後も特許保護期間を延長し、フランチャイズの寿命を延ばす可能性があります。
  • 売上貢献: 新バージョンは、最終的に全ペムブロリズマブ患者の30%から40%を占めると予想されており、MSDの総売上高の約60%を占める同薬にとって重要です。

開発と特許紛争

  • 開発提携: MSDはAlteogenと提携し、ベラヒアルロニダーゼアルファ成分によって、より大量の薬剤投与と皮膚からの分散・吸収を改善する皮下注射製剤を開発しました。
  • 特許紛争: 現在、MSDはHalozymeとの間で特許紛争を抱えています。Halozymeは、ベラヒアルロニダーゼアルファが、薬剤送達のための改変ヒトヒアルロニダーゼに関する同社の知的財産権を侵害していると主張しており、MSDはHalozymeの特許が広範すぎると反論し、無効化を試みています。

MSDの戦略と競合動向

  • 特許切れ対策: MSDはキイトルーダの市場独占権喪失に備え、パイプラインの拡大を進めるとともに、数千人規模の雇用削減や投資プログラム中止(英国の10億ポンドプロジェクトを含む)によるコスト削減策を発表しています。
  • 競合他社: ブリストル・マイヤーズスクイブのオプジーボやロシュのテセントリクといった競合の癌免疫療法薬も、Halozymeの技術を用いた皮下注射バージョンが承認されています。

元記事:FDA clears subcutaneous Keytruda in a boost to MSD