AIモデルがシェーグレン病の分類で高い性能を示す
唾液腺生検画像で訓練されたニューラルネットワークAIモデルが、焦点スコアとシェーグレン病の分類において高い性能を示し、さらに疾患に関連する新しいT細胞浸潤パターンを特定しました。
研究方法
2021年10月から2024年9月にかけて、機械学習モデルが焦点スコアとシェーグレン病を分類し、疾患に関連する新しい組織学的パターンを特定できるかを評価するため、回顧的コホート研究が実施されました。
- 参加者: 欧州の専門センター6施設から545人(平均年齢54.2歳、女性90%)が対象となりました。
- 分析: ヘマトキシリン・エオシン染色された唾液腺生検スライド(フランスのサンプルにはサフランも追加)がデジタル化され分析されました。
- 焦点スコア: 腺組織に浸潤するリンパ球凝集体(50細胞以上)の4mm2あたりの数と定義されました。
- 参加者の内訳:焦点スコア1以上のシェーグレン病患者243人、焦点スコア1未満のシェーグレン病患者113人、自己免疫疾患のない非シェーグレン乾燥症の対照群189人。
- AIモデル: 選択された生検パッチをデジタルサマリーに変換し、患者レベルのプロファイルを作成。ニューラルネットワーク分類器は5施設のプロファイルで訓練され、6番目の施設のスライドで外部検証されました。
- 主要評価項目: 焦点スコアおよびシェーグレン病分類における受信者操作特性曲線下面積(AUROC)。
主要な結果
外部検証後、モデルは以下の性能を示しました。
- 焦点スコア陽性分類: AUROC 0.88 (95% CI, 0.82-0.94)、特異度 0.82 (95% CI, 0.72-0.91)、感度 0.74 (95% CI, 0.63-0.85)。
- シェーグレン病分類: AUROC 0.89 (95% CI, 0.82-0.94)、特異度 0.91 (95% CI, 0.82-0.98)、感度 0.66 (95% CI, 0.55-0.76)。
- 抗体陰性患者での予測: シェーグレン症候群関連抗原A抗体陰性の患者において、モデルはAUROC 0.92 (95% CI, 0.87-1.00)でシェーグレン病を予測しました。
- 新しいパターン: 腺房上皮細胞の周囲に局在するCD8陽性T細胞の新しいパターンが、シェーグレン病の診断と関連していることが特定されました。
臨床的意義
専門家は「AIの洗練された実装により、本研究はシェーグレン病の診断と医療の未来を再定義する極めて重要な進歩を示す」とコメントしています。
研究の限界
- 生検染色法が施設間で異なっていた。
- 焦点スコアの評価は各施設で1人の専門病理医が行い、中央審査はなかった。
- 研究はヨーロッパのセンターのみで実施されており、非ヨーロッパ集団への一般化可能性が限定される。
