食道憩室に対するトンネル下内視鏡的隔壁切開術(STESD)は安全かつ有効、症状の著明な改善と合併症の最小化を実現

食道憩室に対する低侵襲治療「STESD」の安全性と有効性

概要

Submucosal tunneling endoscopic septum division (STESD)は、食道憩室に対する低侵襲治療法として、安全かつ有効であることが示された。本治療法は、症状を大幅に緩和し、合併症を最小限に抑えることができる。

研究方法

食道憩室は稀な疾患だが、進行すると重大な症状や合併症を引き起こす可能性がある。従来の外科的治療(筋切開術、憩室切除術など)には、穿孔、創傷感染、縦隔炎などのリスクが伴う。

本研究では、STESDの安全性と有効性を評価するため、レトロスペクティブ研究が実施された。STESD後30日目に内視鏡検査と食道造影検査によるフォローアップが行われた。症状評価は6ヶ月後、標準化されたスコア(Zenker憩室にはCostamagna、中位・横隔膜上憩室にはEckardt)を用いて遠隔医療で実施された。

主要評価項目はSTESD後の症状スコアの改善、副次評価項目は有害事象、憩室サイズの変化、処置時間、入院期間であった。

研究結果

対象患者は62名(平均年齢58.7歳、女性54.8%)で、Zenker憩室23名、中位食道憩室13名、横隔膜上憩室26名が含まれた。

STESD前の平均憩室深度は24.3 mmであった。

STESD後、CostamagnaおよびEckardtスケール両方で症状スコアが有意に改善し(両方ともP < .001)、大幅な症状緩和が認められた。

平均処置時間は36.2分、平均入院期間は4.0日であった。

処置関連の有害事象は最小限で、粘膜損傷1件と穿孔1件のみ発生したが、いずれも保存的治療で成功裏に管理された。

症状再発は1名の患者で発生し、STESDの再実施によって解決した。

結論と限界

本研究の著者らは、「STESDは、食道憩室の内視鏡治療のための新規で安全かつ有効な低侵襲処置である。食道憩室患者の症状を改善できる」と述べている。

研究の限界としては、サンプルサイズが小さいこと、およびレトロスペクティブデザインによる潜在的なバイアスが挙げられる。

元記事:Endoscopic Septum Division Safe for Esophageal Diverticulum