遅延診断HIV患者におけるDTG/3TCとBIC/TAF/FTCの初回治療効果の比較
研究目的と方法
本研究は、2019年7月から2023年7月にかけて欧州15の治療センターで実施された多国籍レトロスペクティブ研究である。目的は、CD4細胞数200/μL未満および/またはAIDS定義疾患を持つ遅延診断の抗レトロウイルス治療未経験HIV感染患者において、初回治療としてのドルテグラビル・ラミブジン(DTG/3TC)とビクテグラビル・テノホビルアラフェナミド・エムトリシタビン(BIC/TAF/FTC)の有効性と忍容性を評価することであった。
DTG/3TC群69名、BIC/TAF/FTC群190名が登録され、プロペンシティマッチングにより62ペア(平均年齢40.8歳、91.1%が男性)で解析が行われた。主要評価項目は16週および52週時点での抗レトロウイルス療法の中止率であり、副次評価項目は治療中止または変更の理由、ならびに12週および48週時点でのCD4細胞数の変化であった。
主要な結果
- 48週時点でのウイルス抑制率(HIV-1 RNA濃度が50コピー/mL未満)は両群で同程度であった。
- DTG/3TC群: 96.2%
- BIC/TAF/FTC群: 91.8%
- (P = .244)
- 48週時点での治療中止率にも有意な差は認められなかった。
- DTG/3TC群: 5.5%
- BIC/TAF/FTC群: 9.4%
- (P = .301)
- 両群において、治療中止の最も一般的な理由はアドヒアランス不良であった。
- 48週後の平均CD4細胞数および臨床アウトカムにも、群間での有意な差は観察されなかった。
臨床的意義と結論
本研究の結果は、長期的な毒性、服薬負担、およびコストの最小化が重視される中で、適切な選択基準を満たす場合には、DTG/3TC(2剤併用療法)が遅延診断HIV感染患者の有効な治療戦略として位置づけられることを示唆している。
限界
本研究の限界として、サンプルサイズが小さいこと、社会人口学的要因に関連する処方バイアス、追跡不能、および後方視的デザインに内在する欠損データによる潜在的な制約が挙げられる。また、ウイルス量が500,000コピー/mLを超える参加者数が少なかったため、このサブグループでの層別解析は不可能であった。
