フィンランド、学校での若年層メンタルヘルスケアを迅速化

フィンランドにおける若者の精神医療改革:早期介入とアクセス拡大

フィンランドは、若者への精神医療をより早く、迅速に、かつ専門サービスを圧倒することなく提供する方法という、多くの欧州の医療システムが直面する課題に取り組んでいます。

背景と必要性

フィンランドでは、二次学校生徒の不安・抑うつ症状が2017年の20%から2023年には30%以上に増加。精神医療への満たされないニーズは30%に達し、欧州連合平均の8倍以上となっています。これを受け、フィンランドは「国家精神保健戦略2020-2030」のもと、軽度から中程度の精神疾患を持つ子どもや若者への早期介入の改善とケアへのアクセス拡大を目指し改革を進めています。

改革の中心:モデルの転換

この取り組みの中心は、専門家・診断主導型モデルから、プライマリケアや学校現場で短期的でエビデンスに基づいた心理社会的サポートを提供するモデルへの移行です。具体的には、学校の看護師やソーシャルワーカーが以下の訓練を受け、役割を拡大しています。

  • 症状の早期認識
  • 短期的な介入の提供
  • より集中的なケアが必要な場合の判断

このモデルは、より多くの若者に迅速に、彼らが信頼する環境でリーチするのに役立っていると評価されています。

訓練と成果

看護師やソーシャルワーカーは、不安や抑うつに対する早期心理社会的介入(対人カウンセリングなど)に関する2日間の訓練と、抑うつ症状と治療選択肢に関する1日間の訓練、さらに半年後に2日間の追加訓練を受けます。

この改革により、プライマリヘルスケアにおける心理社会的治療の利用は急速に増加。7~22歳の子どもや若者に対するプライマリヘルスケアベースの短期心理社会的介入の年間件数は、2020年の約9万人から2023年には14万人以上に増加しました。

「段階的ケアモデル」の導入

フィンランドはシステムの分断を減らすため、2023年には保健・社会福祉サービスの組織責任を300以上の地方自治体から21の新設されたウェルビーイングサービス郡へ移行しました。これにより、学校保健サービスや学生福祉サービス(心理士、ソーシャルワーク支援を含む)が、他のサービスと同じ郡運営の保健・社会福祉システムに組み込まれ、情報共有と連携が改善されました。

この「段階的ケアモデル(Stepped-Care Model)」は4段階で構成され、症状とニーズ評価ツールを用いて適切な介入を決定します。

  • ステップ1・2(低強度): 診断を待たずに迅速な治療開始を可能にし、学校の看護師やソーシャルワーカーが担当。ステップ1はデジタル自己ヘルプ、ステップ2は軽度から中程度の抑うつ症状に対する対人カウンセリングを含む短期介入。
  • ステップ3(中強度): 抑うつ、不安、行動問題、物質使用に対する短期認知行動療法など、より集中的で広範な範囲をカバー。一部では学校精神保健看護師や学校心理士がより高度な心理療法訓練を受けています。
  • ステップ4(専門家レベル): 心理士や精神科医による専門ケア。

2025年5月には、23歳未満の人が必要性確認後4週間以内に短期構造化心理療法またはその他の心理社会的介入を最大25回提供されることを義務付ける待機時間保証が導入されます。

課題と懸念

改革の方向性を支持する声がある一方で、実施方法には懸念も示されています。

  • デジタルツールや新しい介入が、子どもや若者で十分に検証されていない可能性。
  • 厳格な段階的ケアアプローチが、費用制約のあるシステムにおいて、必要な場合に集中的な治療へのアクセスを困難にする可能性。
  • 看護師やソーシャルワーカーの訓練だけでは、専門家不足というフィンランドの広範な労働力問題の解決にはならない。
  • 学校医の活用不足。

しかし、専門家たちは、このアプローチが不必要な医療化を避けつつ、予防と早期介入を強化しようとする他の国々にとって有用な例となると見ています。

元記事:Finland Fast-Tracks Youth Mental Health Care at School