欧州医薬品庁(EMA)のヒト用医薬品委員会(CHMP)が、2023年10月の会議で新たな医薬品の承認を推奨しました。その中には、重篤な慢性肺疾患である非嚢胞性線維症気管支拡張症(NCFB)に対する初の治療薬であるBrinsupriが含まれます。
Brinsupri(brensocatib)の承認勧告
- 対象疾患: 12歳以上のNCFB患者。NCFBは、炎症と感染のサイクルにより気道の壁が厚くなり損傷する衰弱性の疾患です。診断が難しく、EUにおける患者数は40万人から約300万人と推定されています。
- 作用機序: Insmed社が開発したDPP1阻害剤です。
- 対象患者: 過去12ヶ月間に2回以上の増悪(フレアアップ)を経験した患者に選択肢となるべきとされています。患者は通常、年間1〜4回の増悪を経験し、進行性の肺損傷、繰り返しの感染、生活の質の低下、早期死亡リスクの増加につながります。
- 臨床試験結果: ASPEN試験では、Brinsupriがプラセボと比較して年間発作数を約29%削減しました。また、初回増悪までの期間を延長し、52週間の追跡調査で患者が増悪フリーになる可能性を高めました。
- 今後の展望: 欧州委員会は数週間以内にBrinsupriを承認する見込みです。Insmed社は来年、日本市場への導入も目指しています。同社は、疾患の高い有病率がBrinsupriの年間売上高をピークで50億ドル以上に押し上げると予測しています。
その他の決定事項
- Wayrilz(rilzabrutinib) (Sanofi):
- 対象疾患: 他の治療に抵抗性を示す免疫性血小板減少症(ITP)の成人患者に対する治療薬として推奨されました。
- 特徴: BTK阻害剤であり、米国では数週間前に同様の適応症で承認されており、ITP治療薬として初のBTK阻害剤クラスの薬となります。
- Rezurock(belumosudil) (Sanofi Winthrop):
- 対象疾患: 移植後にドナー細胞が体の臓器を攻撃する慢性移植片対宿主病(GvHD)を対象としていました。
- 結果: 新しい治療選択肢の緊急な必要性があるにもかかわらず、CHMPは販売承認を推奨しませんでした。提出された臨床データが有効性を示すのに十分ではないと判断されました。
- 背景: Sanofiは2021年にKadmon Pharmaを19億ドルで買収した際にRezurockを取得しました。本薬は米国では引き続き市場で販売されており、SanofiにはCHMPの決定の再審査を要求する15日間の猶予があります。
