遺伝子改変ブタ肺のヒトへの移植:画期的な研究
2025年8月26日火曜日 — 中国の医師が、遺伝子改変されたブタの肺を男性に移植し、それが9日間機能したことが、医学誌『Nature Medicine』に発表された新しい研究で明らかになりました。これは、ブタの肺をヒトに移植する初の試みと考えられています。
手術の概要と初期結果
広州医科大学第一付属病院の研究者らは、脳出血で脳死と宣告された39歳の男性に対し、家族の同意を得てこの手術を実施しました。
移植に使用されたブタの肺は、拒絶反応のリスクを軽減するために6つの遺伝子編集が施されており、ドナーのブタは厳重に管理された滅菌環境で飼育されました。医師は患者に感染症と拒絶反応の可能性を低減する複数の薬剤も投与しました。
当初、肺は即座の拒絶反応の兆候を示しませんでした。しかし、1日以内に患者は組織に体液が蓄積し、広範囲にわたる腫れを発症しました。これは血流の問題が原因である可能性があります。数日後には部分的な回復の兆候が見られましたが、その後、男性の体が臓器を拒絶し始めたことが確認され、家族の要請により実験は中止されました。
研究者らは、「この研究はブタからヒトへの肺異種移植の実現可能性を示すものの、臓器拒絶と感染症に関する大きな課題が依然として残っている」と述べています。
深刻な臓器不足の現状
臓器不足は依然として深刻な問題です。米国では、昨年秋に収集された連邦データによると、10万3,000人以上が移植臓器を待っていましたが、2024年に実施された移植手術は4万8,000件未満でした。毎日約13人が臓器を待ちながら亡くなっています。
異種移植の進捗と肺の特異性
医師は数十年にわたり、ブタの心臓弁をヒトに移植することに成功しており、最近では遺伝子改変されたブタの腎臓や心臓でも進歩が見られます。しかし、肺は常に細菌やウイルスにさらされているため、独自の課題を抱えています。専門家は、肺が身体の免疫防御の中心であるにもかかわらず、移植後も保護が困難であると指摘しています。
他の科学者たちは、ブタの臓器が最終的に利用可能な臓器と患者のニーズとの間のギャップを埋めるのに役立つ可能性があると考えています。研究者らは、異種移植(ある種から別の種への臓器または組織の移植プロセス)には「変革的な可能性」があると記しています。
専門家の慎重な見解と今後の展望
シカゴの移植外科医であるアンキット・バラット医師は、今回の結果について慎重な見方を示し、「これから学ぶことはあるだろうが、今回観察されたことに基づいて、より大規模な試験への扉が本当に開かれると完全に確信しているわけではない」とCNNのインタビューで語っています。ニューヨーク大学ランゴン医療センターの移植外科医であるアダム・グリーゼマー医師も、さらなる研究が必要であることに同意し、「9日間の肺移植に志願する人はいないだろう」と述べています。
研究者たちは、幹細胞治療を用いてブタの肺を「足場」として使用し、ヒトの細胞と置き換えるといった新しい選択肢も模索しています。このアプローチは、将来的に臓器の拒絶反応を少なくする可能性があります。しかし、現時点では、ほとんどの専門家がブタの肺移植は実験段階にあると見ています。
—
元記事:Pig Lung Transplanted Into Man for 9 Days in Groundbreaking Study
