英国の臨床試験活動が回復の兆し、規制改革が効果を発揮
英国の医薬品規制当局(MHRA)の新たなデータによると、数年間の減少を経て、国内の臨床試験活動が増加に転じていることが明らかになりました。これは、改革の約束がすでに効果を発揮し始めていることを示唆しているとされています。
主要なデータハイライト(2024年1月~11月)
- 研究開始申請件数: 前年同期比で9%増加。特に初期段階の研究で最も力強い成長が見られました。
- 健康なボランティア研究: 16%増加。
- First-in-human研究: 5%増加。
- 英国で初めて実施される研究: 7%増加。これは「英国を新規研究を開始する場所としての国際的な信頼が高まっている兆候」とされています。
- 企業スポンサーからの助言会議リクエスト: MHRAへの依頼が75%増加。これは、研究プロトコルを初期段階から適切に設計し、後の費用のかかる遅延を避けるためのものです。
今後の規制改革と目標
MHRAは、現在の規制枠組みの制約内でこれらの成果が達成されたと述べ、4月から施行される新臨床試験規制により、さらに大きな変化がもたらされると期待しています。
- 迅速通知ルート(Fast-track notification route): 年内に導入され、企業が研究をより迅速に開始できるようになります。MHRAは、約20%の研究がこのルートに移行し、低リスク研究の事務手続きが簡素化され、より複雑な研究の評価に注力できると予測しています。
- フェーズ1試験の14日間評価ルート: 新薬のFirst-in-human試験の迅速な経路を回復します。
- 現代的アプローチの導入: 海外の研究からの安全性データの考慮や、in silico試験(コンピュータシミュレーション)などのコンピュータモデルシミュレーションを評価する新システムが導入されます。
- MHRAの最高責任者であるLawrence Tallon氏は、「臨床試験のスポンサーが必要としているのは、スピード、明確性、柔軟性である」と強調し、新ルールが低リスク研究の開始を簡素化し、初期段階の研究を強化すると述べました。
これらの措置は、英国政府が掲げる試験申請から最初の参加者までにかかる期間を約250日から150日に短縮するという目標を達成するために設計されています。
過去の課題とABPIの見解
過去数年間、英国の臨床研究部門の状況については懸念が表明されていました。
- 英国製薬産業協会(ABPI)の報告書によると、2017年から2021年の間に新規試験開始が41%減少しました。
- 2024/25年には試験参加者総数は増加したものの、商業試験への参加者数は約25%減少し、2017/18年以来の最低水準に落ち込みました。
ABPIのイノベーション・研究政策責任者であるJanet Valentine博士は、「規制承認におけるスピードと予測可能性は、臨床試験の立ち上げに不可欠であり、政府の150日設定目標達成に不可欠となる」と述べ、MHRAの規制プロセス加速の努力を歓迎しています。
元記事:JPM: Is the UK's clinical trials sector turning a corner?