アトピー性皮膚炎候補薬アムリテリマブの良好な臨床試験結果にもかかわらず、サンオフィ株は下落

サノフィのアムリテリマブ第3相試験結果と市場の反応

サノフィがアトピー性皮膚炎(AD)治療薬候補アムリテリマブ(抗OX40L抗体)の第3相COAST 1試験結果を発表しましたが、投資家は失望し、株価は一時10%以上下落しました。試験は主要評価項目を全て達成し、成人および青年における皮膚病変の改善と疾患重症度において、プラセボと比較して統計的に有意な改善を示しました。

COAST 1試験の主な結果

vIGA-AD 0/1スケール(クリアまたはほぼクリアな皮膚):

月1回投与:21.1%の患者(12歳以上、中等度~重度AD)が24週で達成。

12週に1回投与:22.5%の患者が24週で達成。

プラセボ群:9.2%が達成。

EASI-75スケール(75%以上の皮膚病変改善):

月1回投与:35.9%の患者が達成。

12週に1回投与:39.1%の患者が達成。

プラセボ群:19.1%が達成。

投資家の懸念と背景

結果は明らかにポジティブでしたが、投資家はアムリテリマブの臨床プロファイルが、サノフィの既存のブロックバスターであるデュピクセント(dupilumab)を大きく上回るものではないことに懸念を抱きました。デュピクセントは年間145億ドルの売上を誇り、サノフィの売上の3分の1以上を占めていますが、特許切れ後の競争激化が予想されており、アムリテリマブのような大型新薬がその影響を相殺できるか疑問視されています。特に、アムリテリマブが年に4回の投与で済む可能性があっても、商業的な潜在力については懐疑的な見方があります。

アムリテリマブの戦略的意義と今後の展望

サノフィはアムリテリマブを「パイプライン・イン・ア・プロダクト」の一つと位置づけ、2020年代末までに年間約110億ドルの売上を生み出すことを期待しています。R&D責任者であるHouman Ashrafian氏は、COAST 1データが、T細胞を枯渇させることなく過活動な免疫系を正常化するアムリテリマブの特性を裏付けるものだと述べています。

競合としては、アムジェンのロカチニリマブ(抗OX40L抗体)が昨年HORIZON試験で同様にポジティブな第3相結果を発表しており、EASI-75の数値はサノフィの薬よりも高い傾向にありました(直接比較はなし)。

サノフィはアムリテリマブを、アトピー性皮膚炎の他に、喘息(中間段階試験では目標未達)、化膿性汗腺炎(HS)、全身性強皮症、セリアック病、脱毛症など、幅広い適応症での開発を進めています。

元記事:Sanofi slumps despite positive eczema drug readout