FDAが超希少疾患FOPの治療薬Pasatruを承認
米国食品医薬品局(FDA)は、Regeneron社のガレトスマブ-grts(商品名Pasatru)の承認を正式に発表しました。これは、筋肉やその他の結合組織に異常な骨形成を特徴とする超希少疾患である進行性骨化性線維異形成症(FOP)に対する2番目の治療薬となります。Pasatruは、タンパク質Activin Aを阻害するモノクローナル抗体です。
既存治療薬Sohonosとの比較とPasatruの優位性
これまで市場にはIpsen社のSohonos(パロバロテン)のみが承認されたFOP治療薬として存在していましたが、その比較的低い有効性と懸念される副作用プロファイルにより、販売が伸び悩んでいました。
PasatruのFDA承認の根拠となったOPTIMA試験では、56週時点で新規病変が90%以上減少したことが示されました。これは、Sohonosの主要試験における60%の減少を大きく上回る結果です。また、OPTIMA試験では、臨床医評価によるフレアアップも88%減少したことが示され、Pasatruが既存薬に対して優位な位置にある可能性が示唆されています。
FOP患者への影響と疾患の現状
ヴァンダービルト大学のKathryn Dahir教授は、「FOP患者にとって、あらゆる異常な新規骨形成は身体機能の低下と移動能力の喪失へとつながる」と述べ、Pasatruが「新規骨病変とフレアアップの数を減らす能力により、患者に良い影響を与える新しい治療法」であると強調しました。
Regeneronによると、世界で約900人のFOP患者がおり、多くの患者は30歳までに車椅子生活となり、平均余命は56歳とされています。Pasatruは成人FOP患者のみに承認されています。RegeneronはまだPasatruのリスト価格を発表していませんが、Sohonosの価格は年間624,000ドルでした。
今後の展望
Pasatruは現在、欧州医薬品庁(EMA)で審査中であり、日本での承認申請も計画されています。さらに、Ipsen社の治験薬fidrisertib、Ashibio社のandecaliximab、Incyte社のzilurgisertibなど、Regeneronとは異なるアプローチを用いたFOP治療薬の治験が複数進行中であり、さらなる治療選択肢の拡大が期待されています。