慢性疾患を持つ子供の精神的健康リスク予測に毛髪サンプルが有用な可能性
慢性疾患を抱える子供たちは、精神的健康上の課題に直面するリスクが高いことが知られています。新たな研究では、毛髪サンプルを用いたストレスホルモン測定が、これらの子供たちの精神的健康問題のリスクを予測するのに役立つ可能性が示されました。
研究内容と主要な発見
カナダのウォータールー大学の研究チームは、糖尿病、関節炎、嚢胞性線維症などの慢性疾患を持つ244人の子供たちを4年間にわたり追跡調査しました。この研究では、ストレス時に分泌されるホルモンであるコルチゾールを毛髪サンプルから測定し、そのレベルと精神的健康症状との関連を分析しました。
高コルチゾールレベルとリスク: 研究対象の子供たちの2/3以上が、継続的に高いコルチゾールレベルを示しました。これらの子供たちは、コルチゾールレベルが時間とともに低下した子供たちに比べ、不安、うつ病、または行動問題の症状を発症する可能性が高いことが判明しました。
コルチゾールレベルの低下と改善: ストレスホルモンレベルが減少した子供たちは、感情的および行動的な症状が少ない傾向が見られました。
研究の意義と将来性
主任著者であるエマ・リトラー氏は、「慢性疾患とともに生きることは、投薬、学校を休むこと、活動の調整など、日々多くの課題に直面することを意味し、これらは深刻な感情的負担となり得る」と述べています。
共著者であるマーク・フェロ教授は、早期にリスク要因を特定することの重要性を強調し、「感情的・行動的困難が定着する前に、医師や家族が介入する手助けとなる」と説明しました。
また、毛髪コルチゾール測定は「非侵襲的で採取が容易」であるため、将来的には治療がストレスを軽減しているかどうかを追跡するためにも利用できる可能性があると指摘されています。
背景情報
カナダでは、約40%の子供たちが慢性疾患を抱えており、彼らは生活の質の低下、自殺念慮、医療サービス利用の増加といったより高いリスクにさらされています。本研究は、学術誌『Stress and Health』に掲載されました。関連研究では、特定の血液バイオマーカーも、慢性疾患を持つ子供の精神的健康症状の悪化または改善を予測するのに役立つ可能性が示されています。
元記事:Hair Samples May Help Spot Mental Health Risks in Sick Kids