筋層浸潤性膀胱がん治療のゲームチェンジャーとされるPfizerとAstellasのPadcevおよびMSDのKeytrudaを基盤とするレジメンについてEMAが審査を開始

EMAが筋層浸潤性膀胱がん(MIBC)に対するPadcev/Keytruda併用療法の審査を開始

欧州医薬品庁(EMA)は、PfizerとAstellasのPadcev(エンホルツマブ ベドチン)とMSDのKeytruda(ペムブロリズマブ)を基盤とした併用療法レジメンの審査を開始しました。このレジメンは、筋層浸潤性膀胱がん(MIBC)治療において「ゲームチェンジャー」と評されています。

新たな適応と対象患者

承認されれば、このnectin-4指向性抗体薬物複合体(ADC)であるPadcevとPD-1阻害剤であるKeytrudaの組み合わせは、化学療法不適格なMIBC患者の術前・術後補助療法として使用される可能性があります。

臨床試験の画期的な結果

この新たな適応症の申請は、EV-303/KEYNOTE-905試験の結果に基づいています。この試験は、MIBC腫瘍の外科的切除前後に2つの薬剤を使用する効果を評価したもので、以下の画期的な結果を示しました。

  • 腫瘍再発、進行、または死亡のリスクを60%低減
  • 死亡のリスクを50%低減

研究者によると、この結果は、この患者群において術前・術後全身療法が生存率を改善した初の事例であると報告されています。

承認状況と今後の展望

  • EUでのPadcev/KeytrudaのMIBCにおける審査開始は、米国食品医薬品局(FDA)が同タイプの膀胱がんに対してこの併用療法を承認した数日後に行われました。
  • PadcevとKeytrudaは、すでに局所進行性または転移性尿路上皮がん(UC)の未治療患者に対して、シスプラチン適格性に関わらず使用されています。
  • AstellasとMSDは、化学療法適格な患者集団への使用拡大を目指し、MIBCにおける術前・術後Padcev/Keytrudaの第3相試験(EV-304/KEYNOTE-B15)も実施しています。

疫学と経済的影響

  • 欧州では年間224,000人以上が膀胱がんと診断されており、MIBCはその「かなりの割合」を占めています(全世界では膀胱がん症例の約30%)。
  • Astellasは、Padcevの膀胱がんにおける使用拡大の期待から、2023年にPadcevのピーク売上予測を27億ドルから34億ドルに引き上げました。
  • EUにおける新たなMIBC適応症に関する決定は、2026年末までに下される見込みです。

その他の治療選択肢

MIBCの術前・術後療法としては、AstraZenecaのPD-L1阻害剤Imfinzi(デュルバルマブ)も最近承認されており、術前にプラチナ製剤化学療法と併用し、術後に単剤療法として投与されます。

元記事:EMA starts review of 'transformative' bladder cancer therapy