Earendil Labs、AI創薬プラットフォームに7億8700万ドルの資金調達、Sanofiとの提携も拡大

Earendil Labs、AI創薬プラットフォーム向けに7億8700万ドルの資金調達を実施

Earendil Labsは、そのAIを活用した創薬・開発プラットフォームに対し、7億8700万ドルという巨額の資金調達に成功しました。同社は既に製薬大手Sanofiとの大型契約を獲得しています。

資金調達の詳細と投資家

今回の資金調達には、SanofiがDimension Capital、DST Global、INCE Capital、Luminous Ventures、Miracle Capital、そしてHillhouseとPfizerが設立したBiotech Development Fundと共に参加しました。

資金の使途とパイプラインの進捗

デラウェア州ウィルミントンに拠点を置くこのバイオテック企業は、新たな資金をAI機能の開発、人員の増強、そして抗体および生物製剤を基盤とするパイプラインの推進に充てるとしています。これまでに同社のプラットフォームからは40以上の候補が生まれており、中でもHXN-1001という長時間作用型抗TL1A抗体は、現在フェーズ2試験の準備段階にあります。

同社はまた、2026年と2027年に複数の治験薬申請(IND)を計画しており、これには追加の薬剤候補も含まれます。

注目されるTL1Aターゲットと疾患領域

TL1A(腫瘍壊死因子様リガンド1A)は、免疫学および炎症性疾患の研究開発において大きな注目を集めており、MSD(tulisokibart)、Teva/Sanofi(duvakitug)、Roche(afimkibart)など、複数の企業がTL1Aを標的とした薬剤開発に取り組んでいます。特にMSDのtulisokibartは、潰瘍性大腸炎とクローン病のフェーズ3試験段階にあり、一部のアナリストからは年間40億ドルのブロックバスターになると予測されています。

Earendilは、HXN-1001を潰瘍性大腸炎やクローン病を含む広範な自己免疫疾患および炎症性疾患で試験する計画です。また、同社の内部パイプラインには、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アトピー性皮膚炎、B細胞疾患の候補も含まれています。

Earendil CEOのビジョン

Earendilの創業者兼最高経営責任者であるJian Peng氏は、「AIは、単なる研究ツールではなく、実際の治療プログラムを生み出す生産エンジンとして、我々の活動の核をなしています」と述べています。さらに、「この資金調達により、我々は根本的に異なる規模で事業を運営し、複数のプログラムを臨床に進めると同時に、長期的な影響を目指す研究開発組織を構築できます」と付け加えています。

Sanofiとの戦略的提携

Sanofiは昨年、Earendilとの提携を開始し、当初は2つの二重特異性抗体(インテグリンα4β7およびTL1Aを標的とするHXN-1002、抗TL1AおよびIL-23薬剤HXN-1003)のライセンス契約を結びました。この契約には、1億2500万ドルの前払い金と、総額18億5000万ドルの潜在的価値が含まれており、両候補薬は自己免疫疾患および炎症性腸疾患の治療薬として位置づけられています。

さらに今年1月、Sanofiは提携を拡大し、1億6000万ドルの前払い金と、総額25億6000万ドルの潜在的価値を支払いました。この拡大された提携では具体的な新規プログラムは特定されていませんが、SanofiがEarendilのAIプラットフォームを活用して新たな治療候補を探索することが目的とされています。

元記事:Earendil raises $787m as lead TL1A antibody starts phase 2