パーキンソン病に対するバイエルの幹細胞療法が勢いを増す

バイエル、パーキンソン病向け幹細胞・遺伝子治療で大きな進展

バイエル社は、パーキンソン病に対する幹細胞治療遺伝子治療の両方で開発を加速させています。

幹細胞治療「bemdaneprocel」が第3相試験を開始

バイエル子会社のBlueRock Therapeuticsが開発する幹細胞治療薬「bemdaneprocel」は、第3相試験(exPDite-2試験)の患者への投与を開始しました。

これは、パーキンソン病で変性するドーパミン産生ニューロンを補充する単回治療であり、同種多能性幹細胞由来の治療法として初の第3相試験となります。

先行する第1相(exPDite)試験では、12名の患者において24ヶ月間のデータで安全性、忍容性、移植細胞の生着・増殖が確認され、運動機能の改善傾向も示されました。

exPDite-2試験では、中等度のパーキンソン病症状を持つ102名の患者を対象に、78週時点での運動機能(ジスキネジアのない「オン」時間)の変化を評価します。

バイエルは、この治療薬の供給のため、カリフォルニアに2億5000万ドルの製造施設を設立しています。

遺伝子治療「AB-1005」も第2相試験へ

バイエル子会社のAskBioが開発する遺伝子治療薬「AB-1005」は、欧州で第2相試験を開始し、最初の患者が登録されました。

この治療法は、脳の被殻にGDNFと呼ばれる成長因子を発現する遺伝子を導入し、ドーパミン作動性ニューロンの生存を促進することを目的としています。

広がる細胞治療アプローチとパーキンソン病の現状

パーキンソン病の細胞治療には、日本や米国/カナダの学術グループも取り組んでおり、初期の有望なデータを発表しています。

その他、Aspen Neurosciences、住友ファーマ、TreeFrog Therapeutics、Cellinoなどの企業もこの分野で活動しています。

初期の胎児組織を用いた細胞治療は有望でしたが、合併症や倫理的な懸念から、現在ではiPS細胞(人工多能性幹細胞)やhES細胞(ヒト胚性幹細胞)を用いた開発が主流です。

パーキンソン病は世界で1000万人以上が罹患しており、神経変性疾患としては世界で2番目に多く、最も頻繁な運動障害です。現在のところ治癒法はなく、既存の治療法では症状を完全に制御できません

バイエルは、細胞治療と遺伝子治療の「デュアルアプローチ」を通じて、パーキンソン病の治療環境を変革し、患者に新たな希望を提供することを目指しています。

元記事:Bayer starts pivotal Parkinson's cell therapy trial