病院のスタッフ削減、死亡率上昇:プライベート・エクイティの影響

プライベートエクイティ(PE)買収後の病院における患者転帰の変化:ED死亡率上昇と転送増加

新しい研究によると、施設がプライベートエクイティ(PE)企業に買収された後、救急部門(ED)での死亡率が上昇し、EDおよび集中治療室(ICU)からの転送が増加しました。ピッツバーグ大学、シカゴ大学、ハーバード大学医学部の研究者らが、PE企業に買収された病院とそうでない病院の買収前後の患者転帰データを分析し、その報告はAnnals of Internal Medicineに掲載されました。

主な研究結果

  • PE病院では、EDでの院内死亡率が13.4%増加した一方で、同時期に対照病院では減少しました。
  • PE所有施設では、EDからの急性期病院への転送が基準値から4.2%増加し、ICUからの転送は10.2%増加しました。
  • ハーバード大学医学部のZirui Song博士は、EDでの死亡増加は驚きであり、転送が増えたにもかかわらず残された患者の死亡率が上昇したのは「驚くべき」ことだと述べました。ICUの死亡率も、転送後の平均的な患者集団がより健康になったにもかかわらず、減少しませんでした。

コスト削減が影響か

研究者らは、ED患者の院内死亡率上昇と転送率の上昇の最も可能性の高い説明として、EDおよびICUにおける給与支出の16%〜18%削減を挙げています。買収後、病院全体でも常勤換算従業員が12%減少し、給与支出が17%減少したことも記録されています。Song博士は、EDとICUが「人員配置に特に敏感な患者ケア分野」であるため、影響を受けやすいと指摘しました。

PE病院と非PE病院の対照的な動き

PE所有病院は、買収後にEDおよびICUの給与支出をそれぞれ18%と16%削減しましたが、対照病院は支出を増やしていました。PE病院は入院患者ベッドあたりの常勤従業員数も削減し、対照病院は増加させていました。

研究の規模と限界

この分析には、RAND Corporationの病院コスト報告データとMedicareの請求データが使用され、2010年から2017年までの買収が対象となりました。

  • ED訪問:PE所有病院47施設で100万件、対照病院270施設で610万件を分析。
  • ICU訪問:PE病院で121,080件、対照施設で760,377件を分析。
  • PE病院では黒人やヒスパニックの患者が多く、MedicaidとMedicareの両方に該当する患者も多かったですが、臨床的な併存疾患スコアは両グループで同程度でした。PE病院はICUからの患者転送もより迅速に行う傾向がありました(ICU転送は対照群と比較して10.6%増加)。

著者らは、すべてのPE買収が同じではないという限界を指摘していますが、研究対象となった270病院はPE所有施設のかなりの部分を占めています。

結論

研究結果は「因果関係を意味するものではない」ものの、さらなる分析が必要であり、給与支出を含む買収後のコスト削減が患者転帰の変化に寄与する可能性があると結論付けています。Song博士は、「米国での病院ケア、特にEDやICUでは、重症患者のケアには多くの人手が必要な労働集約的な対面作業であり、人員配置レベルが患者の安全と転帰に影響する」と強調しました。

元記事:Staffing Slashed, Mortality Rises: The Private Equity Effect