COVID-19パンデミックが9/11以降の退役軍人のメンタルヘルスに与えた影響と持続する格差
ペンシルベニア州立大学の研究者によると、COVID-19パンデミックの期間中、9/11以降の退役軍人の不安とうつ病の症状が増加し、人種、民族、性別に関連する持続的な格差が確認されました。
研究概要と方法
ペンシルベニア州立大学のClearinghouse for Military Family Readinessは、2016年に現役を退役した5,200人以上の9/11以降の退役軍人から収集されたデータを分析しました。この研究は、2019年5月(パンデミック前)、2020年11月(パンデミック中)、2023年3月(パンデミック後)の3つの時点でのメンタルヘルス症状の変化を追跡しました。参加者は0から6のスケールを用いた4項目のPatient Health Questionnaireを完了し、平均スコアの有意な変化が確認されました。
主な研究結果
- 症状の増加:
- 平均うつ病スコアはパンデミック前の1.24からパンデミック後の1.41に増加。
- 平均不安スコアはパンデミック前の1.49からパンデミック後の1.70に増加。
- 強力な予測因子:
- 幼少期の逆境体験(身体的、精神的、性的虐待)や戦闘経験が、より高い症状レベルの最も強力な予測因子でした。これは、時間とともに蓄積される心理社会的ストレスが身体的・精神的健康に大きな影響を与えるという累積ストレス理論と一致します。
- 人種・民族・性別による格差:
- 人種・民族的少数派の退役軍人および女性退役軍人は、白人男性退役軍人よりも一貫して多くの不安とうつ病の症状を報告しました。
- 特に、人種・民族的少数派の女性退役軍人は最も高い平均うつ病スコア(1.82~1.84)および不安スコア(2.19~2.51)を示し、これらの高いレベルはCOVID-19の前、中、後を通じて安定していました。
- これらの格差は、差別、社会的孤立、公平な医療への障壁といった構造的・文化的要因に起因する可能性があります。
- レジリエンスの可能性:
- 外傷への曝露は症状レベルの高さと関連していましたが、展開回数が多いほど不安とうつ病の症状が低いことが示されました。これは、ストレスへの反復的な曝露と時間経過による適応を通じて発達するレジリエンスを反映している可能性があります。
提言と今後の展望
研究者たちは、今回の知見が退役軍人コミュニティにおける「ひずみと強さ」の両方を示していると述べています。今後の世界的健康緊急事態に備えるためには、人種や民族が健康転帰を予測する上で重要な役割を果たすことを理解し、より公平なケアシステムを構築することが不可欠です。
- 必要な対策:
- 標的型でエビデンスに基づいたメンタルヘルスサービス。
- 文化的に適切なアウトリーチ。
- 危機対応において多様な退役軍人グループの具体的な経験を考慮に入れること。
- 軍事文化におけるメンタルヘルスへのスティグマにより、自己報告データが症状レベルを過小評価している可能性も指摘されています。
元記事:Veterans' anxiety and depression rose during, after the pandemic, study finds