誤情報の撲滅、信頼の促進:AAFP会長サラ・ノサル医師(MD、FAAFP)との対談

AAFP新会長サラ・ノサル医師の就任と医療課題への取り組み

2025年10月、サラ・ノサル医師が米国家庭医学会(AAFP)の第78代会長に就任しました。サウスブロンクスで診療し、連邦政府認定医療センターグループの副社長兼最高医療情報責任者も務めるノサル医師は、家庭医が直面する課題と自身の目標について語りました。

ワクチンに関する誤情報と患者との対話

AAFPは、ワクチンに対する国民の信頼を損なう動きに対抗するため、他の医療団体と協力しています。ノサル医師は、「躊躇」という言葉を避け、患者が質問を持つのは当然であるとの見解を示し、家庭医が患者にとって信頼できる情報源となるべきだと強調します。会員からは、提示される情報が複雑化し、患者からの質問が増えているとの報告があります。

ソーシャルメディアからの医療誤情報

ノサル医師は、ソーシャルメディアやWhatsAppグループなどから患者が受け取る大量の医療誤情報が問題であると指摘します。患者はしばしば、これらの情報源から得た動画や「薬」について医師に尋ねてきます。ノサル医師は、患者が様々な情報源を探索することは自然なことだとしつつ、家庭医との信頼に基づいたオープンな関係が、安全な医療情報へのアクセスに不可欠であると強調します。

臨床医が対話を進めるためのヒント

臨床医は、患者が口にするものや定期的に摂取しようとするものについて、必ず話し合うべきです。医師は「権威的」であるよりも「協力的」なパートナーとして、患者に質問の機会を与え、推奨される治療法について合意形成を図ることが重要です。パンデミック時のワクチン接種成功例からも、家庭医のオフィスにおける継続的な関係性が最も効果的であることが示されています。

国際医療卒業生(IMG)への懸念

昨年、米国の家庭医学研修枠の約3分の1がIMGによって埋められました。AAFPは、移民政策がIMGの米国での研修を阻害し、特に医療資源の不足している地域への医師供給に悪影響を及ぼすことを深く懸念しています。IMGは米国で研修を受け、地域社会に貢献する意思があるにもかかわらず、ビザ取得にかかる高額な費用などが障壁となっています。

出産「砂漠」問題と家庭医の役割

産科医の不足による「出産砂漠」は、家庭医にも影響を与えています。家庭医は、産前ケア、分娩、産後ケアの提供を増やしており、特に病院が閉鎖された地域ではその役割が不可欠です。メディケイドにおける産後ケアの1年間延長は、特に黒人や褐色人種のコミュニティ、資源不足の地域における周産期合併症や死亡率の改善に大きく貢献するとノサル医師は述べました。家庭医は、妊娠から出産、産後期間を通じて、家族全体の健康を支える重要なケアを提供しています。

会長としての目標

ノサル医師は、会長としての主な目標として、「喜び、革新、インスピレーション」を挙げ、医療コミュニティが経験している「精神的苦痛」に対処したいと考えています。全ての人が医療にアクセスできることを最優先事項とし、テクノロジーを活用して行政的な負担を軽減し、医師がより「医師であること」に集中できる環境を整えることを目指します。プライマリケアと家庭医学が、コミュニティの寿命を延ばし、不平等を減らし、医療の質を向上させる上で最も効果的であると強調しました。

元記事:In Conversation With AAFP President Sarah Nosal, MD, FAAFP