結腸直腸がん手術前の低エネルギー完全栄養代替プログラムの実現可能性と効果
研究の概要
結腸直腸がん(CRC)手術を待つ過体重患者において、低エネルギー完全栄養代替(TDR)プログラムが実行可能で忍容性が高く、術前の体重減少と一部の患者報告症状の改善に繋がることが示された。CRC手術は他の主要な腹部手術よりも術後合併症のリスクが高く、過体重はそのリスクをさらに増加させる。
方法論
この前向き無作為化臨床試験は、イングランドの9病院で実施された。対象はBMIが28以上、治癒的CRC切除を待機しており、WHOパフォーマンスステータスが0-2の患者。合計71名の適格患者(平均年齢64歳、男性61%、平均BMI 35.4)が、介入群と通常ケア群に無作為に割り付けられた。
介入内容:
管理栄養士がサポートするTDR(約800 kcal/日、タンパク質76g/日)を治療決定から手術まで実施。
45分間の初回電話コンサルテーション、週20分間のフォローアップコール、簡単な終了時コールが含まれた。
主要評価項目は、募集、参加、順守、維持、および安全性(術後30日間の追跡調査中にClavien-DindoスケールとComprehensive Complication Indexを用いて合併症を評価)。
主要な結果
体重減少: 介入群は対照群よりも術前に4.3 kg多く体重を減少させ、この群間差は術後30日でも維持された。脂肪量以外の身体組成に有意な群間差は認められなかった。
プログラムへの参加と安全性:
介入群の参加者は平均85%の栄養指導コールに参加した。
97%が介入を開始し、89%が完了した。維持率は100%だった。
介入に関連する重篤な有害事象は報告されなかった。
患者報告症状の改善: ストーマのない患者において、がんQOL質問票のスコアで、介入群は対照群よりも便失禁が8.6ポイント、皮膚の痛みが15.9ポイント低かった。
合併症: 合併症の割合(両群とも約40%)またはClavien-DindoグレードI-IIIの合併症に有意な群間差はなかった。しかし、探索的観察分析では、体重を3.2%以上減らした患者は、それ以下の患者と比較して合併症が50%相対的に減少した。
- 費用対効果: モデリングにより、介入は費用対効果が高い可能性が示唆された。
結論と今後の展望
本研究の著者らは、「集中的な術前減量介入は、結腸直腸がん手術前のプレハビリテーションの一部として安全で実行可能であり、主要な症状改善の証拠を伴い費用対効果が高い可能性が高い」と述べた。
制限事項
本研究は、副次的および探索的評価項目における差を正確に検出するには検出力が不足していた。対照群でも約2 kgの体重減少が見られ、これは減量研究への参加によるハロー効果の可能性を示唆している。介入群での管理栄養士との頻繁な接触が有害事象報告を増加させた可能性もある。
元記事:Pre-Op Weight Loss Program Safe, Helpful in CRC Resection