インスリン非使用2型糖尿病患者におけるCGMの有効性:CONNECT試験
2型糖尿病(T2D)でインスリン治療を受けていない成人において、持続血糖測定(CGM)が通常のケアと比較して高血糖状態を大幅に改善することが、CONNECT試験によって示されました。この研究は、米国糖尿病学会(ADA)2026年学術集会で発表され、糖尿病管理の再構築と治療選択肢の拡大に貢献し、最終的に糖尿病関連合併症を減少させる可能性を秘めていると共同著者のThomas W. Martens医師は述べています。
CONNECT試験の概要
CGMは1型糖尿病およびインスリン治療中のT2D患者には強く推奨されていますが、インスリン非使用T2D患者におけるCGMの利点に関する大規模な研究は不足していました。SGLT2阻害薬やGLP-1受容体作動薬などの効果的な薬剤で治療されていても、多くの患者でA1c値が高いままであり、CGMの恩恵を受ける可能性が示唆されていました。
Martens医師らは、米国22のプライマリケア施設からインスリン非使用のT2D成人283人を対象にCONNECT試験を実施しました。
- 対象者: 平均年齢60歳、糖尿病罹病期間中央値10年、平均A1c 8.8%(31%がA1c ≥ 9%)、平均BMI 33 kg/m2。
- ランダム化: CGMデバイス群(Dexcom G7; n=145)と標準的な血糖測定(SMBG)によるルーチンケア群(n=138)に1:1で割り付けられました。
- 介入: 両群とも既存の血糖降下薬を継続し、食事と運動に関する教育を受け、定期的なチェックインを行いました。
主要な結果
26週間の研究期間を経て、CGM群の97%、標準ケア群の90%が研究を完遂しました。
- A1cの改善:
- CGM群ではA1cが1.6%減少したのに対し、ルーチンケア群では0.7%の減少にとどまり、0.9%の有意な差が見られました(P < .001)。
- ベースラインのA1cが高いほど治療効果は大きく、ベースラインA1c ≥ 10%の患者では、CGM群で3.1%の減少、標準ケア群で1.2%の減少でした。
- A1cが0.5%以上改善した患者は、CGM群で82%に対し、標準ケア群では56%でした(P < .001)。
- A1cが8.0%未満を達成した患者は、CGM群で84%に対し、標準ケア群では56%でした(P < .001)。
- 目標血糖範囲内時間(TIR)の増加:
- 目標血糖範囲(70-180 mg/dL)内での時間は、CGM群でルーチンケア群より5時間長くなりました。
- CGM群ではTIRがベースラインの29%から62%に増加したのに対し、標準ケア群では31%から42%に増加しました(P < .001)。
- 安全性と患者報告アウトカム:
- いずれの群でも重症低血糖の報告はなく、CGMに関連しない重篤な有害事象の発生率も同程度でした。
- CGM群の患者は、糖尿病管理に対する満足度が高く、糖尿病関連の苦痛が軽減されたと報告しました。
- サブグループ解析: GLP-1 RAおよびSGLT2阻害薬の使用の有無にかかわらず、CGMの利点は観察されました。
公衆衛生上の意義と専門家の見解
研究者らは、インスリン非使用T2D患者におけるCGMの利点を示す大規模なランダム化比較試験がこれまでなかったと指摘しています。この患者群は米国のT2D成人の約75%を占め、約2000万人に相当します。現在、メディケアやほとんどの民間保険では、インスリンを使用しないT2D患者に対するCGMはカバーされていません。本研究の結果は、これらの患者がGLP-1やSGLT2阻害薬を使用しても血糖目標に達していない現状を踏まえると、公衆衛生上非常に重要であるとされています。
ワシントン州立大学のJosh Neumiller教授(薬剤師)は、CGMの利点がインスリン非使用のT2D患者にまで拡大することは自然な流れであるとコメントしています。CGMによって患者が自身の生活習慣や薬剤が血糖に与える影響を視覚的に把握できることで、自己管理の改善につながり、全体的な血糖管理に有益であるという長年の推測を、今回の研究がエビデンスとして裏付けた形です。